県立高校16校(全日・定時制)が9日に卒業式を開いた。さいたま市西区の大宮光陵高校では、管弦楽部の生演奏で卒業生323人が入場した。県教育委員会はマスクについて政府の方針に従い外すことを基本として通知。同校は個々の判断としていたが、卒業生、在校生ともにマスク姿が目立った。
本年度の卒業生は入学後すぐに新型コロナウイルス感染症の流行で一斉休校となり、マスクの着用が欠かせない3年間を過ごした。式には3年ぶりに在校生が出席。保護者はマスクを着用し、わが子の晴れ姿をスマホに収めていた。10日は県立学校92校、11日は18校が卒業式を行う。
マスクを外した生徒とマスク着用の生徒が臨んだ県立大宮光陵高校の卒業式=9日午前10時ごろ、さいたま市西区
同局高校教育指導課などによると、本年度の県立高校の卒業生は全日、定時、通信制合わせて138校で3万4258人。9日までに21校が実施し、10日に92校、11日に18校が行う。公立小学校は22、23日、中学校は15日を中心に行われる予定。
大宮光陵高校は9日に卒業式を行い、卒業生323人と在校生、保護者らが出席した。式前は教員から在校生に「マスクを外しても構わないので、取れる人は取って卒業生を迎えましょう」とアナウンスがあったが、ほとんどの在校生はマスクを着けたまま。外していた生徒も、国歌や校歌を歌う際は着用。卒業証書授与、答辞、送辞などの代表生徒はマスクを外していた。
各自の判断でマスクを着用し、式に臨む卒業生=9日、さいたま市西区
生徒会長の李月嬌(り・げっきょう)さん(18)は答辞で、「休校期間が明けた後も、マスクで隠れた素顔、中止になったイベント、短くなった夏休みなど、憧れていた学校生活とは違った」と振り返った。式後、マスクについて「初めて素顔を見た子もいた。私は率先してマスクを外したが、花粉症だから取らないという子も多かった。少し寂しかったが仕方ないと思う」と話した。
同校では本年度初めて一般公開の体育祭や文化祭を実施。小川慎校長は「生徒はずっとマスクを着けるように言われて過ごしてきた。外すと『素顔が恥ずかしい』ということも大きいようだ」と話した。
=埼玉新聞2023年3月10日付け16面掲載=
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