国語の作文問題廃止
県教育委員会は24日、2027年度の県公立高校の入学者選抜における学力検査について、迅速・正確な採点を実現するため、全ての教科にマークシート方式を導入、また国語の作文問題を廃止すると発表した。県教委はすでに27年度から全受検生に自己評価資料の提出を求め、面接試験を全校で導入すると発表しており、試験形式は27年度入試を境に大幅に変更される。
埼玉県教育委員会ホームページ
県教委高校教育指導課によると、各教科での出題形式の割合は、得点に換算するとマークシートの問題が約9割、生徒の思考力や判断力、表現力などを評価する記述式の問題が約1割になる。昨年度入試の記述問題は全教科平均で約5割だった。
また、埼玉の公立校入試の特徴だった国語の作文問題は27年度をもって廃止。マークシート形式を含む全体の解答を勘案して、同様の能力を審査する。
マークシート方式はすでに他県の入試でも採用されており、採点業務の軽減や時間の大幅な短縮などが見込まれる。採点は各校に専用の機器を導入し、正確でミスのない採点を行う。出題の基本方針(26年5月公表予定)や問題の難易度などで大きな変更はない。
県公立高校入試について県教委は23年9月、入試方法改善委員会からマークシートの導入など試験のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を検討する旨の報告を受けており、準備を進めていた。
県教委は24日から、県のホームページでマークシート方式を活用した県公立高校入試の問題・解答用紙のサンプルを公開した。
今後は、8月に中学校の教員向けにマークシート導入に関する説明会を実施。中学生と保護者には「学力検査問題におけるマークシート方式の導入についてのリーフレット」を8月上旬までにホームページに公開するなど、受検する生徒とその保護者が不安にならないよう周知に努める。
高校教育指導課の担当者は「受検生が安心して試験に臨めるよう、状況を考慮した適切な制度設計を行っていく」と話している。
=埼玉新聞2025年7月25日付け1面掲載=
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