西武台、武南 両校V
2-2延長戦も譲らず
(最終日、18日・埼玉スタジアム第2グラウンド)
決勝が行われ、西武台と武南が延長の末、2―2で引き分けて大会規定により11大会ぶりの両校優勝となった。西武台は7大会ぶり7度目、武南は2大会連続11度目の栄冠に輝いた(2021、22年の中止を除く)。
西武台は0―1の後半10分にオウンゴールで同点にすると、同19分に宇野がチーム2点目を奪った。武南は同9分に河西が先制。1点を追う同28分にゴール前の混戦から関口が押し込んで追い付き、延長に入ったがスコアは動かなかった。
西武台―武南 後半19分、西武台の宇野(中央)が追加点を奪う
西武台と武南は100分間で決着がつかずに引き分けた。
西武台は0―1の後半10分に泉谷のクロスからオウンゴールで同点。同19分に相手GKのこぼれ球に反応した宇野が追加点を決めた。
武南は後半9分に川崎のパスに河西が右足を振り抜いて先制。1―2の同28分に河西のシュートから混戦となり、関口が押し込んで同点にした。
栄冠も悔しさにじむ
西武台は両校優勝で7大会ぶりの栄冠に輝いたが、勝利を飾ることができずに悔やしさをにじませた。
表彰式後、スタンドで喜ぶ相手とは対照的に、ベンチ脇に集まって反省会。指揮を執った関根コーチは「2日連続の試合だが最後の最後でやってもらいたかった。もう一段階ギアを上げないと全国はいけない」と口にした。
試合の入りから中盤で数的有利な状況をつくられ、守勢に回る展開に。後半9分に先制点を奪われ、その直後にオウンゴールで同点にする。攻め手を欠く中、同19分にゴール前で鈴木洸と相手GKが競ったこぼれ球に「手前にボールが落ちることが予測できたからラッキーだった」と詰めた宇野が追加点を挙げた。だが、同28分に追い付かれると、2日連続の延長戦に体力は消耗し、勝ち越し点が遠かった。
県大会を通して課題となったのは守備。4試合で6失点と精彩さを欠いた。センターバックで主将の谷口は「一つ一つの局面が軽くなっているし、間延びしているから今回の結果になった」と改善点を挙げた。今季一つ目のタイトルに浮かれる様子はなく、自分たちの現在地を知った。
経験と学びをチームに還元
西武台・谷口
西武台のセンターバック谷口は「苦しい中でも甘えずに普段の練習からやり切らないといけない」と優勝にもチームのさらなる成長のために厳しく語った。
1月にU―17(17歳以下)日本高校選抜候補に選ばれ、同世代のトップ選手との差を肌で感じた。「レベルが一段階高いし、粘り強さがあるのは当たり前だった。この違いを西武台に落とし込んでいかないといけない」。代表での学びと今大会の悔しさを忘れずに、主将としてチームを引っ張っていく。
強度維持 らしさ貫く
後半28分、武南の関口(左)が同点ゴールを決める
試合終了までの100分間、強度を落とさずにつなぐサッカーを貫いた武南が2大会連続の栄冠に輝いた。内野監督は「落ち着いてリズムをつくれていた。相手の圧力に苦戦した前の試合を改善できた」と振り返った。
前半からセカンドボールの回収を徹底し、ボールを支配した。それでも、主将の杉浦は「優勢は意識したが、ゴールが遠かった」と引いて守る相手に対し、前半はシュート3本と攻めきれず、スコアレスで折り返した。
後半9分、河西が右足を振り抜き先制点を奪ったが直後に同点とされ、同19分に逆転を許した。劣勢になったが、河西は「キャプテンを中心に声かけして、気持ちは落ちなかった」。すると、同28分に関口がゴール前のこぼれ球を押し込み、試合を振り出しに戻した。
終盤になると「リズムが悪くない時にどう人の交代をするか」と指揮官が動き、後半29分にボールを運べる有川を投入。中央から攻め込むなど内容で相手を上回ったが、最後まで勝ち越せなかった。
チームは今大会、準決勝まで3戦続けて無失点と堅守を誇った。杉浦は「攻撃も守備も課題がはっきりした。次の試合に向けて練習していきたい」と成長を誓った。
2点に絡み役割を全う
武南・河西
0―0の後半9分、武南のエース河西が先制のゴールを奪った。「前半からいいプレーができず、なんとかしたかった」と川崎から受けたパスを滑りながら右足を振り抜き、執念のゴール。同28分に放ったシュートがチーム2点目の起点になるなど、役割を全うした。
今大会は4試合で2得点。決勝ではワントップでボールを集めるも、決定機を外すなど苦しんだ。「まだまだエースの働きはできていない。自分のゴールでチームを勝たせるような選手になる」と覚悟をにじませた。
サッカー女子
昌平が初優勝
(最終日、18日・埼玉スタジアム第2グラウンドほか)
決勝と順位決定戦が行われ、決勝は昌平が4―0で本庄第一を下し、初優勝を飾った。
=埼玉新聞2024年2月19日付け7面掲載=
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