決勝は昨年の再戦
(第3日、28日・熊谷ラグビー場)
準決勝などを行い、川越東と昌平が決勝に駒を進めた。両校は関東高校新人大会(2月10、11、17、18日・千葉、茨城)の出場権を獲得した。川越東が3年連続5度目。昌平が2年連続7度目。
3連覇を目指す川越東は深谷を34―17で下した。前回大会準優勝の昌平は熊谷を58―0と圧倒した。
全国高校選抜大会の切符を懸けた決勝は、川越東―昌平の昨年と同一カードで争われ、2月3日(14時30分・熊谷ラグビー場Bグラウンド)に実施する。
持ち前の堅守発揮
堅守から主導権を奪い返した川越東が深谷に逆転勝利した。
0―5の前半22分、SH岡部のキックパスを受けたWTB田中が同点トライ(ゴール成功)。守備で圧力をかけると同26分にフッカー鈴木が追加点を挙げ、後半はFB南雲のPGなどで17得点してリードを保った。
深谷はボールを動かし続け後半に2トライを奪ったが追い付けなかった。
準決勝 川越東―深谷 前半22分、川越東のWTB田中(中央)がトライを決める
前回王者の川越東が意地の逆転勝利で、3年連続の関東進出を決めた。望月監督は「新チームの経験値は低かったが、よくたどり着いてくれた」と3連覇に王手をかけた選手らをたたえた。 0―5の前半22分、ゴール手前中央からSH岡部が右大外にキックパス。待っていたWTB田中が「自分のミスから先制を許した。チームのために取り返さ
なきゃ」と得意のランプレーで内側に切り込みトライ。ゴールも成功し逆転した。
試合中盤から持ち前の守備力を発揮。相手にボールを回される前に詰め切るディフェンスで攻撃の芽を素早く摘んだ。次戦の相手は接点の強さを誇る昌平。共同主将の鈴木は「FWのフィジカルで負けちゃ駄目。ディフェンスで勝ちに行きたい」とがっぷり四つに組むつもりだ。
先制トライも中盤連続失点
深谷
主導権をつかみきれなかった深谷は、必死の追い上げも及ばなかった。
前半14分にCTB明戸が先制トライ。主将の新井は「前半から攻め続けられたのは良かったけれど、個々の力でやられていった」と連続失点した中盤の攻防を悔いた。「入りは良い。ここから自分たちの判断の正解を増やしていきたい」と新井。敗戦を糧に理想のラグビーを追い求める。
接点で圧倒し10T
終始フィジカルで上回った昌平が熊谷を圧倒した。
昌平は前半8分のCTB山口の先制トライを皮切りに、前後半で計10トライ。WTB堀内、山崎やSO小林ら突破力の高い選手らが陣地を押し上げ着実に点を重ねた。
熊谷は連続失点を許した焦りから守備が崩れた。後半20分にゴール前でモールを組んだが踏ん張れず、無得点に終わった。
準決勝 熊谷―昌平 前半12分、昌平のCTB山口(左から2人目)が相手守備を振り切り独走トライを奪う
接点の強さで圧倒した昌平が2年連続の決勝進出を決めた。船戸監督は「ぶつかりにいくところ、フィジカルのところで勝負ができている」と前後半で計10トライの結果に納得の表情を見せた。
前半8分のCTB山口の先制点を皮切りに、同10分のWTB堀内、17分のWTB山崎らバックス陣が着実にゲインを切って得点を重ねた。この日4トライを挙げた山口は「(相手に)つかまれたところのドライブはチーム全員で意識している」と勝因を語った。
昨秋の全国高校埼玉大会決勝で川越東に敗れてから基礎を再徹底。ハンドリングやタックルを見直した成果が今大会3試合で224得点の攻撃力につながっている。山口は決勝に向け「入りは堅く。トライを取って圧倒したい」と頂点を見据えた。
粘り結実せず 玉際競り負け
熊谷
26年ぶりの決勝進出を狙った熊谷は、準決勝で敗退。横田監督は「コンタクト、セットプレー、全てにおいて昌平が上回った」と肩を落とした。
粘り強さを発揮し前後半ともに終盤でゴール手前まで迫ったが、球際で競り負けた。主将の榊原は「フィジカル面で一歩早く前に出て運動量で勝れるチームになりたい」とこの経験を次につなげたい。
=埼玉新聞2024年1月29日付け7面掲載=
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