昌平 競り勝ち連覇
川越東に5-0
(最終日、1日・昌平高校グラウンド)
決勝と順位決定戦を行い、決勝で昌平が川越東に5―0で競り勝ち、2年連続2度目の頂点に立った。優勝した昌平は第26回全国高校選抜大会(3月23、25、27、29、31日・熊谷ラグビー場ほか)に出場する。同校の出場は2年連続3度目。
昌平は後半13分にCTB宮本のキックで敵陣右端のゴールライン手前2㍍からのラインアウトを獲得。モールで押し込み、フランカー宮元がトライを奪った。後半は2度も川越東にインゴールに迫られるも、粘り強く守り抜いた。
3位決定戦は熊谷工が熊谷を20―7で破り、7位決定戦は浦和が鷲宮に45―24で勝利した。5位決定戦は、慶応志木の出場辞退のため本庄第一の不戦勝となった。
昌平と川越東は関東高校新人大会(2月8、9、15、16日・山梨、神奈川)に出場する。
決定機を逃さなかった昌平が、互角に渡り合った川越東との球際の戦いを制した。
後半13分、昌平はCTB宮本のキックで敵陣右端のゴールライン手前2㍍地点からラインアウトを獲得した。セットプレーを成功させると、ジャンパーのロック金子を起点にモールを形成。ロック長谷、フランカー宮元にボールを回し、押し込んでトライを奪った。川越東は機動力を生かした素早いダブルタックルで相手を何度も押し倒し、敵陣に攻め込んだが1トライが遠かった。
「ここで」執念のトライ
決勝 昌平―川越東 前半25分、昌平のフランカー宮元(中央)がモールから抜け出して突破を図る
後半に訪れた一度のチャンスをものにした昌平が川越東とがっぷり四つに組んだ決勝を制した。前半に試合が動かず、焦る選手らにベンチから「深呼吸。深呼吸」と声をかけていた船戸監督は試合後「ほっとした。これが一つ自信になってくれればいい」と緊張を解いた。
試合が動いたのは後半12分。相手反則により選択権を得ると、選手たちはすぐさま互いに駆け寄り約40秒間も話し合った。「FWが自分たちを信じてモールで行こうと言ってくれた」とCTB宮本。キックで敵陣ゴールライン手前2㍍の好位置にボールを蹴り出した。
ラインアウトからモールを形成し勢い良く押し進めると、ベンチから「行けるなら入れ」と指揮官の大きな声が飛んだ。WTB秋山がモールに参戦。CTB堀内も「何回も敵陣に入り込んで時間的にもここで取れなきゃダメだ。ここで押し切ろう」と加わり、そのまま執念のトライを奪った。
粘り強くインゴールを守り1トライ差で2連覇を達成したが、昨季の県内4冠を経験する2年主力陣は相手守備にてこずりテンポがつかみ切れなかった試合に不完全燃焼の表情。宮本は「FWで前に出てもっとバックス一人一人の強みを生かしたい。周りを生かしながら自分でも切り裂いていきたい」と全国まで足踏みをしている暇はない。
「実力で選抜へ」
主将 宮元
昌平のフランカー宮元が後半13分にモールから貴重なワントライを奪い勝利を手繰り寄せた。「本当にうれしかった。その後も0に抑えられたけれど、もっと点差をつけたかったので悔しい」。1年ぶり2本目の公式戦でのトライに喜びつつ、主将として試合内容を厳しく評価した。
優勝し、開催県枠で全国大会への出場が決まったが「もっと良いチームをつくって、勝って自分たちの実力で選抜出場をもぎ取りたい」。1週間後の関東新人大会での勝利を誓った。
決定機も一押し足りず
後半29分、川越東のフッカー佐々木大(中央)が相手のタックルをかわして攻め込む
川越東が2大会ぶりの王座復権へあと一歩に迫った。粘り強く体を張りトライに迫る2度の決定機をつくったが、0―5とわずかに及ばなかった。望月監督は「全員が一生懸命に力を尽くした。惜しい場面はあったが、あと少し力が足りなかった」と悔しがった。
前半は押し込まれて守備の時間が続いた。球際の強さでしぶとく守るとセットプレーから徐々に流れをつかんだ。主将のWTB飯野は「守備からつくるチーム。精度よく守り勝てた」。ラインアウトなどでボールを奪うと速攻につなげた。
スコアレスの後半は攻勢に転じた。SO菅谷らがパスを散らし、多彩な攻撃でエリアを拡大。同5、28分と2度インゴールに侵入もトライはできなかった。フランカー加賀崎は「相手を倒せる一押しが足りなかった」と攻撃を反省した。
前回大会は0―64の大敗を喫した決勝の舞台。今大会で雪辱は果たせなかったが、鍛えた接点で強さを証明した。飯野は「ここは出発点。結果は出なかったが秋に笑えるように練習を続けたい」と敗戦を糧に成長する。
スクラムで存在感
プロップ竹山
川越東のプロップ竹山がスクラムで存在感を示した。体重100㌔の体格を生かした力強いタックルで相手を押し込んだ。「前に出るのが自分の強さ。負けない気持ちで押し続けた」と自身のプレーを誇った。
8日から関東高校新人大会に臨む。「この負けをどう生かすか。一つでも学びの多い戦いがしたい」と頼もしい1年が全国切符を手繰り寄せる。
県高校ベストフィフティーン
昌平から最多12人選出
ベストフィフティーンに選ばれた選手たち
県ラグビー協会は1日、本年度の県高校ベストフィフティーンを発表し、県内大会や全国大会で活躍した選手から3年生15人を選出した。
昨年12月に全国高校大会に出場した昌平からはSH白鳥蓮、CTB山口廉太ら最多の12人が選ばれた。
17歳以下の日本代表に選ばれた鷲宮の小菅隼輝が特別表彰された。
=埼玉新聞2025年2月2日付け7面掲載=
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