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県高校総体 陸上 結果

女子400R 伊奈学園に栄冠
男子円盤投げ 富田(進修館)2連覇

(第1、2日、12、13日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

 男女計17種目の決勝などを行い、女子400㍍リレーは伊奈学園(ワジェロ、三島、田中、新井)が優勝した。伊奈学園は準決勝を45秒98の大会新で突破すると、決勝は46秒12で頂点に立った。
 男子円盤投げは富田涼桜(進修館)が45㍍99で2連覇を達成し、55㍍69で制した同ハンマー投げと2冠に輝いた。女子走り高跳びは高橋美月(埼玉栄)が1㍍70で3連覇した。
 各種目とも上位6位(競歩は5位、混成と女子の棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位)までが北関東大会(6月14~17日・東京)に出場する。

 

仲間を信頼 個で圧倒

女子400㍍リレー決勝 46秒12で優勝した伊奈学園の3走田中(右)からバトンを受けたアンカー新井(左から3人目)が走り出す

 

 女子400㍍リレーは伊奈学園が46秒12で栄冠に輝いた。主将の1走ワジェロは「バトンなどの連係もよく、それぞれが自分の力を出し切れた」と笑顔で振り返った。同100㍍を制した3走田中を筆頭に、県内屈指の個の能力で圧倒した。
 スタートから先頭を譲らず2位に1秒70差をつける完勝だった。ワジェロが好スタートから前に出ると、2走三島が2番手以下に1秒以上の差をつけた。3走田中は「舞い上がっていて抜かれる気がしなかった」と自信みなぎる走りを披露。最後はアンカー新井の力強い走りで後続を寄せ付けなかった。
 チームは12日の準決勝で45秒98の大会新を出すなど勢いに乗る。新井は「新人戦からずっと同じメンバーで信頼感が強い。今日以上の走りがしたい」と北関東大会での頂点を見据えた。

 

大きく成長 王者の貫禄

 男子円盤投げは進修館の富田が45㍍99で2連覇を達成し、ハンマー投げとの2冠に輝いた。力強い振り抜きで2位に5㍍以上の差をつけ、「ここは通過点。毎投毎投、1㌢でも上回ろうと全力を出した」と王者の貫禄を見せつけた。
 前回大会の42㍍93から3㍍以上記録を伸ばした。食事管理やウエートトレーニングで体重は69㌔から78㌔に増加。投てきに力強さが増した。「自己ベストの46㍍17はもちろん、県記録である51㍍10を狙いたい」と大きな目標を掲げた。

 

男子800㍍ 関(東農大三)大会新で初V
女子走り幅跳び 池上(埼玉栄)2連覇

(第3日、14日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

 男女計13種目の決勝などを行い、男子800㍍は関朝陽(東農大三)が大会新の1分51秒42で初優勝した。女子走り幅跳びは池上瑠依(埼玉栄)が5㍍91で2連覇を達成した。
 同やり投げは佐藤和奏(花咲徳栄)が48㍍28で初制覇。同400㍍障害は矢島杏紀(所沢西)が1分0秒39で初の栄冠に輝いた。
 各種目とも上位6位(競歩は5位、混成と女子の棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位)までが北関東大会(6月14~17日・東京)に出場する。

 

男子800㍍決勝 大会新の1分51秒42で初優勝した東農大三の関朝陽(49)

 

下半身強化し頂点

 男子800㍍は東農大三の関が1分51秒42の大会新で初優勝。昨夏の全国高校総体5位の実力者だが、これまで県大会での優勝はなかった。「3年間ずっと優勝できずに最後の大会を迎えた。すごくうれしかった」と念願のタイトルに大きなガッツポーズを見せた。
 好スタートから一度も先頭を譲らずに押し切った。レース前のプラン通り、1周目を55秒で通過。残り200㍍で後ろから江原(越谷東)が迫ってきたが、「スパートどころを間違えないようにうまく足をためられた」と周りの動きに動じず、残り100㍍で突き抜けた。
 昨夏から取り組んできた下半身強化が実を結んだ。スクワットでもも裏から臀部(でんぶ)を鍛え、レース終盤の体のぶれを修正。自己ベストには0秒25届かなかったが、「レースを全て自分でつくれたのは大きな収穫」と手応えを口にした。
 県王者として6月の北関東大会に臨む。昨年は同種目で4位に敗れた。「全国を経験して余裕を持った走りができるようになった。実績を背負っているので負けられない」とレベルアップした姿を見せつける。

 

重圧はねのけ自己新の跳躍

女子走り幅跳び決勝 5㍍91で2連覇した埼玉栄の池上瑠依

 

 女子走り幅跳びは埼玉栄の池上が5㍍91の自己新で2連覇を達成した。昨年の大会で記録した5㍍89を1年ぶりに更新し、「記録が伸びずにプレッシャーを感じていた。調子が良くない1年だったので本当に安心した」と表情を和らげた。
 意識してきたことを具現化し、好記録が生まれた。2本目に向かい風1・1㍍の中、5㍍50をマーク。「いい跳躍ができて自信があった。あとは記録を狙うだけ」。3本目、大会直前に練習した細かく刻む助走から完璧な踏み切りで2本目より39㌢距離を伸ばした。
 次の目標は6㍍。昨夏の全国高校総体で6位入賞も記録は5㍍65と満足できるものではなかった。「悔しい思いしかない。またあの舞台にメダルを取りに行く」と北関東大会で頂点に立ち、再び全国の舞台に挑む。

 

助走から安定した
女子やり投げで初優勝の佐藤和奏(花咲徳栄)

 1投目で自己ベストを4㍍以上更新して楽しく競技ができた。アップの段階から体が動き、助走から安定して投げられた。関東はレベルが高いので50㍍を目標にして頑張りたい。

 

強い気持ち持てた
女子400㍍障害で初優勝の矢島杏紀(所沢西)

 前半に焦って思うような走りではなかったが、得意の後半に絶対に優勝するという強い気持ちが持てた。北関東大会では自分のペースで走り、24秒53の自己ベストで優勝したい。

 

女子3000㍍ 成瀬(昌平)初V 2冠に輝く
男子3000㍍障害 西沢(花咲徳栄)初の頂点

(最終日、15日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

 男女計11種目の決勝などを行い、女子3000㍍は成瀬結菜(昌平)が9分32秒12で初優勝し、4分29秒81で制した同1500㍍との2冠に輝いた。
 男子3000㍍障害は西沢匡哉(花咲徳栄)が9分19秒63で初の頂点に立った。女子砲丸投げは西武台勢が表彰台を独占。米川佳里奈が12㍍62で初の栄冠に輝き、12㍍07の益井莉桜が2位、11㍍73の川上風花が3位だった。
 各種目とも上位6位(競歩は5位、混成と女子の棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位)までが北関東大会(6月14~17日・東京)に出場する。

 

父の支えで苦難克服

女子3000㍍決勝 9分32秒12で初優勝した昌平の成瀬結菜(1)

 

 女子3000㍍は昌平の成瀬が9分32秒12で初優勝。同1500㍍との2冠を獲得した。「絶対に二つ取ると思って臨んだ。苦しんだシーズンをようやく抜け出せた」と笑顔がはじけた。
 序盤から5人で形成した先頭集団が後続を引き離した。「いかに力をためられるかだけを考えた」と4番手で前を走る埼玉栄の3人を徹底マーク。残り1周で先頭に立つと、ロングスパートでそのまま押し切った。
 昨年6月の北関東大会で思うような走りができず、長い間イップスに陥った。「スタート地点にあるのは強い恐怖心。怖くて仕方がなかった」とレース直前に体が硬直した。そこからの10カ月は記録はおろか走り切るのがやっとだった。
 克服のきっかけは尊敬する父の支えだった。自主練習では常に隣を走ってくれた。「結果は気にせずに楽しみながら走りなさい」という言葉で重圧から解放されたという。レース後は「やったぞ」とスタンドで見守っていた両親に向けて笑顔で親指を立てた。「もっと練習して、先頭を走る姿で両親を喜ばせたい」と結果で恩返しする。

 

無我夢中 会心の走り

男子3000㍍障害決勝 9分19秒63で初制覇した花咲徳栄の西沢匡哉(2)

 

 男子3000㍍障害は花咲徳栄の西沢が9分19秒63の自己新で初優勝。「当たって砕けろ。余計なことは考えずに無我夢中で走った」と昨年9月の県高校新人大会で記録したタイムを約17秒上回る会心の走りだった。
 実力者がそろったレースを3番手で追走。リズムよく走ったが、「早く前に出ないと落ちるだけ」と中盤手前で先頭に立った。新人大会で転倒した水濠(すいごう)にも落ち着いて対応し、最後は後続に25秒以上の差をつけた。
 他を寄せつけない走りで手応えをつかんだ。「単独走で記録が出たのはよかった。8分台でインターハイに出られる順位を目指す」と北関東大会での活躍を誓った。

 

米川が初優勝
女子砲丸投げ 西武台勢、表彰台独占

女子砲丸投げ決勝 (左から)優勝した米川佳里奈、2位の益井莉桜、3位の川上風花

 

 女子砲丸投げは西武台勢が表彰台を独占した。初優勝の米川は1投目で12㍍62を記録。自己ベストの12㍍72にはわずかに届かず「優勝はしたが、ふがいない試合。反省して北関東で必ず2連覇したい」と悔しさをにじませた。
 円盤投げを制し2冠を目指した益井は2位。「この競技では中学から絶対に勝てない相手。いつも刺激をくれる存在」と米川をたたえた。3位の川上は「まとまって上位に入り、強い西武台を見せたい」と北関東大会で今回の再現を描いていた。

 

焦らずに走れた
男子110㍍障害で2連覇の堀井永遠(昌平)

 自己ベストが出て優勝できたのでよかった。前に出られる展開だったが焦らずに自分のペースで走れて後半に巻き返せた。インターハイに出るために残りの期間で質の高い練習を続けたい。

 

最後はプライド
女子100㍍障害で2連覇の清水望生(昌平)

 1年生に負けられないと最後はプライドで優勝した。大会記録を狙っていたので、まだ2年間の積み重ねは出せていない。次の北関東ではインターハイ入賞ラインまでタイムを伸ばしたい。

 

 

=埼玉新聞2024年5月14日付け7面、15日付け7面、16日付け7面掲載=

 

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