県高校軟式野球春季大会　浦和実業連覇４度目Ｖ

伊奈学園８－３で下す

（最終日、６日・東松山市営）
　決勝を行い、浦和実が伊奈学園を８―３で下して２年連続４度目の栄冠に輝いた。
　浦和実は１―１の五回１死一、二塁から大高が左中間へ適時打を放ち２点勝ち越し。小野、中山の連打など打者１０人の猛攻で、この回一挙５得点し、伊奈学園を突き放した。投げては坂田、小野、永井の継投で相手打線を４安打に抑えた。
　浦和実と伊奈学園は関東大会（６月１～５日・東京）に出場。ともに１日の１回戦から登場し、伊奈学園は早大学院（東京１位）とぶつかる（９時・Ｓ＆Ｄ昭島スタジアム）。浦和実は小石川中教校（東京３位）と対戦する（１４時・同）。

伊奈学園―浦和実　５回表浦和実１死一、二塁、大高の左中間への適時打で一塁走者関谷が生還する。捕手我妻

　五回の集中打で一挙５得点した浦和実が伊奈学園に打ち勝った。浦和実は１―１の五回１死一、二塁で大高が左中間に２点適時打を放ち勝ち越し、この回さらに３点を追加した。伊奈学園打線は４安打に抑えられ、追い付けなかった。

磨いた打力　花開く

　磨いた打力が花開き、１２安打で８得点した浦和実が伊奈学園を退けた。加藤監督は「うちは去年から打撃のチーム。より強い打球を打てるように練習してきた」と納得の表情を見せた。
　１―１の五回１死一、二塁で２年大高の左中間への２点適時打で勝ち越した。サインはエンドランだったが「打ち上げたけれど落ちて、後につながってくれてよかった」と打線に勢いをつけた公式戦初安打、初打点に大高はにんまり。この回に５安打５得点と集中打を浴びせた。
　練習では軟式よりも２００㌘ほど重い硬式用のバットを使用し、素振りの際はさらに重い木製バットを用いている。主将の柴崎は「他の学校とはスイングスピードが違うから、うちは１～９番全員が長打を狙える」と強打の要因を口にした。
　昨年は創部６年目にして春季関東大会で初の頂に立ち、埼玉県勢として初の春の優勝旗を持ち帰った。関東大会に向け、柴崎は「ここまでは順調で関東からが本番。先輩たちに続けるよう頑張っていきたい」と春の関東２連覇を見据えた。

中盤のミス響く
関東へ修正誓う

　伊奈学園は失策が絡んだ五回の失点が響き、後手に回った。戸部監督は「一つのミスが負けにつながる。失点を抑えながら、もっと細かい野球をしていきたい」と下を向いた。
　七回１点、八回に海老根、芳野の連続二塁打でさらに１点を返したが反撃もここまで。決勝では４安打と打線が沈黙したものの、粘り強い全員野球で準優勝をつかんだ。主将の海老根は「チャンスはつくれていた。つながりを意識して打てるように仕上げたい」と関東に向け修正を誓った。

＝埼玉新聞２０２４年５月７日付け６面掲載＝