埼玉新聞社 高校受験ナビ

福島出身の卒業生が和楽器を披露-南稜高校

琴・津軽三味線奏者の大川義秋さん

埼玉純真短期大学で演奏

 福島県双葉町出身で、県内在住の箏(こと)奏者・大川義秋さん(26)が13日、羽生市下岩瀬の埼玉純真短期大学(藤田利久学長)で演奏会を行った。箏だけでなく三味線なども入れて約10曲を演奏。学生など約200人は和楽器の魅力にうっとりした。

箏の演奏の合間に和楽器の魅力や東日本大震災について話す大川義秋さん=13日午後、羽生市下岩瀬の埼玉純真短期大学

 大川さんは11年前、双葉町で中学校卒業時に東日本大震災に遭い、福島第一原発事故の影響で避難を余儀なくされた。戸田市の県立南稜高校に進学し、同校の邦楽部で箏に魅力を感じて熱中。さらに、拓殖大学ではデザインを修めた。津軽三味線の奏者でもある。
 2017年に熊本県の「くまもと邦楽コンクール」で最優秀賞を受賞。20年には日本最大の箏の大会「賢順記念全国筝曲コンクール」でも最優秀賞に輝き、この年、メジャーデビューしている。21年には加須市観光大使に就任している。
 加須市は東日本大震災で避難した多くの双葉町民を受け入れている。大川さんは「箏の演奏を通して多くの人の心を癒やしたい」と双葉町、加須市双方の懸け橋になっている。演奏会では、演奏の合間に学生たちに震災経験も話して気持ちを伝えた。
 演奏した曲は多彩で、「春の海」「さくらさくら」「となりのトトロ」をはじめとするジブリ・メドレー。いきものがかりの曲「ありがとう」など。また。津軽三味線で「津軽じょんがら節」を弾いた。自作曲も2曲披露。自作衣装も注目を集めた。
 同短大1年の栗原美優さん(18)は「演奏に感動した。大川さんが震災避難者やコロナ禍の人の心を癒やしていることも知った」。同2年の高木花さん(19)は「会場が雅(みやび)な世界になった。私は中学生の時に箏を弾いている。また弾きたくなった」と話した。

 

=埼玉新聞2022年5月18日付け11面掲載=

 

サイト内の

南稜高校の基本情報は→こちら

 

カテゴリー

よく読まれている記事

最新の記事

TOP