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秋季高校野球 県大会 花咲徳栄8度目V

徳栄 好機逃さぬ逆転劇

(最終日、5日・県営大宮)
 決勝を行い、花咲徳栄が浦和学院に3―2で競り勝ち、2大会ぶり8度目の栄冠に輝いた。
 花咲徳栄は0―1の五回、2死一、三塁で相手悪送球の間に同点とした。なお2死二塁で5番奥野が右前適時打を放つと、続く本田も右前適時打を放ち、計3点を奪い逆転した。投げては2番手古賀が6回1失点の好救援でリードを守った。
 優勝した花咲徳栄と準優勝の浦和学院は秋季関東大会(18~21、25、26日・山梨)に出場する。組み合わせ抽選会は9日に実施される。

 

浦和学院―花咲徳栄 5回表花咲徳栄2死二塁、奥野が勝ち越しの右前適時打を放つ=県営大宮球場

 

 投打で粘り強く戦った花咲徳栄が浦和学院に3―2で競り勝った。花咲徳栄は0―1の五回、2死一、三塁で一塁走者佐伯の盗塁が相手捕手の悪送球を誘い同点。なお2死二塁で奥野が勝ち越しの右前打を放つと続く本田も適時打を放ち3点を奪った。投げては石田、古賀の1年生投手の継投で2失点。浦和学院は相手を上回る8安打もつながりを欠いた。

 

したたかに充実の秋

浦和学院―花咲徳栄 5回表花咲徳栄2死二塁、本田が右前適時打を放つ。捕手内藤

 

 1点を争った決勝の舞台で、したたかな徳栄野球が結実した。秋の県決勝で1勝8敗と苦杯を喫してきた浦和学院に勝利した。岩井監督は「(秋春夏)全部取るつもりでやっているのでよかった。粘り強くよく戦ってくれた」と選手たちをたたえた。
 0―1の五回に打線がつながり逆転した。2死一、三塁から敵失で同点とすると、奥野が勝ち越しの右前適時打。なお2死二塁で本田は「得点差が1点では足りない。芯を外さない打撃を練習してきた」と高めの直球を捉え、リードを広げた。
 ロースコアの展開で、4盗塁2犠打と小技を駆使して着実に好機を演出した。バスターや逆方向への強い打球など、巧みなバットコントロールで相手を苦しめた。本田は「夏に負けた要因を追及し、徹底的に練習した成果が出せた」と納得の表情だった。
 岩井監督が収穫の一つに挙げたのが1年生投手2人の好投。右腕石田は3回1失点と先発の役割を全うした。2番手左腕古賀は「緊張はなく、捕手のリードを信じて投げ切った」と6回1失点。準決勝までの全5試合に先発したエース黒川に頼ることなく勝ち切った。
 今大会はノーシードから激戦区を勝ち上がった。昌平や春日部共栄などとの接戦をものにし、得た自信は大きい。主将の本田は「試合を重ねるごとにいいチームになった。この勢いを続けたい」と充実感をにじませた。

 

主軸好調 打球鋭く

5番・奥野

 花咲徳栄の5番奥野が勝ち越し打を含む2安打と調子の良さをうかがわせた。同点の五回、2死二塁で「走者をかえすのが5番の役目。いつも通り、冷静に入った」と勝ち越しの右前打。低めの変化球を引っ張り、鋭い打球で一塁線を抜いた。
 パンチ力が武器で強力打線の主軸に座る。今大会は全6試合に先発出場し、8安打5打点。3番笹崎、4番佐伯という好打者の後続としてチームの得点源となった。「関東では二つ勝つ。選抜に近づく大会にしたい」と次の目標を見据えた。

 

守備乱れ王座届かず

浦和学院

9回表花咲徳栄1死二塁、ピンチを迎えて西村(中央)のもとに集まる浦和学院の伊藤(右)ら内野陣

 

 4大会ぶりの王座奪還を狙った浦和学院は五回に守備の乱れから3失点し逆転を許した。安打数では相手を上回ったが、あと1点が遠かった。森監督は「持ち味の守備から自滅してしまった。現状を受け止めたい」と沈痛な面持ちだった。
 1―3で迎えた七回には先頭打者の西村が初球の浮いた変化球を右翼線にはじき返し、二塁に到達。「後は頼むぞ」と塁上で仲間に望みを託した。玉栄が安打で好機を広げ、伊藤の適時打で1点差に詰め寄るも、後続が倒れ同点には追い付けなかった。
 中盤以降に中継ぎ陣が奮起した。五回2死から登板した3番手日高は7人に対し4奪三振で、安打を許さなかった。「ここで流れを切ってやろうと全てを出し切った」と勢いづく相手打線を封じ、試合を立て直した。
 目標としてきた県制覇はかなわなかったが、準決勝、決勝と競った試合の勝負どころで底力を発揮した。森監督は「課題は明確になった。関東に向けしっかりと準備したい」と敗戦を受け止め、前を向いた。

 

チームの柱 投打奮闘

先発・伊藤

 浦和学院の伊藤はチームの柱として投打に奮闘した。2点を追う七回1死一、三塁、「どうにかして1点を」と初球にセーフティースクイズを試みるもファウル。3球目の直球を捉え左前適時打を放った。
 決勝は先発として二回まで投げて無失点。今大会は全5試合で先発のマウンドに上がり、大車輪の働きぶりだった。「試合をつくるのが自分の役目。関東大会では強いチームと戦うことになるが、一戦必勝でやっていきたい」と次の舞台へ目を向けた。

 

=埼玉新聞2025年10月6日付け7面掲載=

 

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