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秩父 千手観音堂6年ぶり信頼相撲 勝ち負けなしで熱戦

 身体健全や無病息災などを願う祈願者に代わって、地元秩父の力士たちが相撲を奉納する民俗行事「千手観音信願相撲」(市指定無形民俗文化財)が16日、同市荒川上田野の千手観音堂で、6年ぶりに行われた。行事復活を心待ちにしていた参加者が伝統ある土俵の上で熱戦を繰り広げた。

 

伝統ある二重土俵の上でぶつかり合う参加者=16日午後1時ごろ、秩父市荒川上田野の千手観音堂

 

 文政年間(1818~31年)、地元出身の隅ノ江津雲(すみのえつくも)という力士が千手観音で願をかけ、江戸相撲の幕内まで出世し、出世披露の相撲を取ったのが行事の始まりといわれる。観音堂の天井には、相撲の四十八手の板絵が奉納されている。
 県立秩父農工科学高校の元相撲部関係者らで組織する秩父相撲連盟が中心となり、伝統を支えているが、コロナ禍の影響で2019年の取組を最後に中止が続き、昨年は台風接近に伴い、開催できなかった。
 同相撲保存会の長谷川満会長(74)は「このまま行事をなくすことも頭にあったが、続けたいという地域住民らの熱い声が、復活を後押しした」と語る。長年未使用だった土俵は、雨などの影響でひび割れし、補修作業に苦労したというが、会員で協力して、俵を二重に敷いた、歴史ある「二重土俵」を復活させた。
 信願相撲は二番勝負が特徴。最初に勝った方が次は負けて、「勝ち負けなし」にするのが決まり。あいこになることで双方の願いがかなう。
 今年は地元の小中学生12人と、腕自慢の大人14人が相撲に参加。真正面からぶつかり合う白熱した取組を見せ、見物客らを沸かせた。
 長谷川会長は「続けたいという方が一人でもいる限り、伝統を守っていきたい。地域外の方も飛び入り参加ОK」と話していた。

 

=埼玉新聞2025年8月19日付け9面掲載=

 

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秩父農工科学高校は、農業部(農業科・森林科学科・食品化学科)、工業科(電気システム科・機械システム科)、家庭科(ライフデザイン科・フードデザイン科)の3部7学科を有し、“秩父地域の産業と未来を支えるスペシャリストの育成”を目指しています。本校の3年間は、実践的な学習や部活動、資格取得を通じてたくましく成長することができます。本校は進路実現へのサポートも充実し、就職でも進学でも自分の希望を叶える確かなチャンスがあります。

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