自分たちで収穫したマスカット・ベリーAの果皮をワインプレス機に入れる秩父農工科高の生徒たち=26日午後、秩父市下吉田の秩父ファーマーズファクトリー兎田ワイナリー
県立秩父農工科学高校農業科の3年生6人が、秩父市下吉田のワイン製造会社「秩父ファーマーズファクトリー兎田ワイナリー」(深田和彦社長)協力の下、オリジナルの赤ワイン造りに挑戦している。生徒は26日に兎田ワイナリーを訪れ、ブドウ果皮を絞る圧搾作業を実施。醸造所は甘くフルーティーな香りに包まれた。
同校のワイン造りは、農業や醸造の技術を実践的に学び、地元事業者や同校農業科の魅力を広くPRすることが目的で、今回が初の取り組み。生徒たちは17日から2日間、同校の農園1・2㌶で栽培しているブドウ品種「マスカット・ベリーA」を約500㌔収穫し、兎田ワイナリーへ納品。同校ОBが半数を占める兎田ワイナリーの従業員が破砕作業や発酵途中の温度管理を行った。
同社は、山梨県内のワイナリーでノウハウを習得した深田社長が2015年から醸造を開始。秩父地域特有の昼夜の寒暖差を生かし、2㌶の自社畑などで地域に根差したワイン造りを進めている。深田社長は「今年はブドウ栽培に適した気候に恵まれ、糖度の高さや皮の色あいが例年以上に良好。生徒たちが栽培したブドウも上質だった」と話す。
生徒は同校の先輩たちに指導を受けながら、容器いっぱいの果皮をワインプレス機に入れ、濃厚な香味の液分を搾り取った。参加した同校3年桜井愛莉さん(17)は「地元企業と連携したワイン造りは、他校ではめったにできないことなので、とても貴重な経験をさせてもらっている」と話した。
同社と連携した秩父農工科高産ブドウのオリジナルワインの商品化を目指し、生徒は今後、ワインのラベルデザイン作業を進めて行く。
=埼玉新聞2025年9月29日付け11面掲載=
サイト内の秩父農工科学高校の基本情報は→こちら
学校の特徴 ~学校からのメッセージ2025~
秩父農工科学高校は、農業部(農業科・森林科学科・食品化学科)、工業科(電気システム科・機械システム科)、家庭科(ライフデザイン科・フードデザイン科)の3部7学科を有し、“秩父地域の産業と未来を支えるスペシャリストの育成”を目指しています。本校の3年間は、実践的な学習や部活動、資格取得を通じてたくましく成長することができます。本校は進路実現へのサポートも充実し、就職でも進学でも自分の希望を叶える確かなチャンスがあります。
カテゴリー
よく読まれている記事