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税制テーマに討論ー県立浦和高校

金融所得課税で賛否

 県立浦和高校(さいたま市浦和区)の生徒らが6日、税に対する理解を深めるため、浦和税務署協力の下、租税教室を行った。同教室では「政府は物価高対策の財源として、金融所得課税を強化すべきか」をテーマにディベートを実施。生徒らは肯定派と否定派に分かれて、白熱した議論を展開した。

否定派の意見に反論する肯定派の生徒=6日午後、県立浦和高校

 

 同教室には、公民の教科を選択した2クラスの生徒ら、約70人が参加。生徒らは事前に、日本の財政や税制の現状について講義を受けた後、金融所得課税の強化の是非を、クラス内で討論した。今回のディベートには、肯定側と否定側それぞれ5人の立候補者が、クラスを代表して参加した。
 肯定側は、金融資産を多く持つ層は高所得層であることから、所得の再分配につながると主張。現状の税制では、高所得層の方が低い税負担を担っているケースも多いことから、金融所得課税を強化することで、税制の公平性を高めることができるとした。
 一方で否定側は、同税制の強化によって、個人投資家の投資意欲の低下、富裕層の資産の国外移動による全体的な税収の低下リスクを指摘。税制改正という恒久的な対策ではなく、より安定した財源である国債の利用が適切であるとの考えを示した。
 ディベートの後は、どちらの論理が説得力があったか、討論者以外のクラスメート28人が判定。23対5と、否定派が勝利した。審査した生徒からは「否定派の意見は国債のメリットに頼っているように感じた」や「少子高齢化が進む中で、現役世代だけに負担がかからない税制という視点で否定側に共感した」とさまざまな意見が挙がった。
 肯定側の討論者として参加した同校2年の安藤成央さん(16)は「投資意欲の低下など、否定側の意見に共感する点もいくつかあった。金融所得課税を強化した際の利点について、もっと深堀りして話せたらよかった」と悔しさをにじませた。講義については、「今後投資をすると思うので、今回学んだことが役に立てばいい」と話した。

 

=埼玉新聞2025年11月14日付け18面掲載=

 

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