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第105回高校野球埼玉大会【シード16校 戦力分析・4】

Aシード 浦和学院

積極起用で王座奪還

 

自慢の長打力で強力打線をけん引する浦和学院の4番喜屋武

 

 4季連続優勝を飾って絶対王者で臨んだ昨夏とは違い、今年は3季連続準優勝と王者を追う立場で夏に入る。森監督は「頂点を前にして負けた悔しい思いをぶつけてほしい」と期待を込める。
 選抜大会4強の前チームに比べて投打で迫力に欠けるが、総合力は高い。春季県大会5試合で43得点の打線はつなぐ意識が徹底されている。小林、月山、浜野、喜屋武の1~4番は長打力と走力があり、塁に出すと厄介だ。決勝までの全7試合を想定し控え選手の積極的な起用が考えられ、試合ごとに先発メンバーが入れ替わる。
 投手陣はエースの左腕伊藤を軸に渡辺、月野、田中の140㌔中盤右腕トリオと左腕鈴木夕、右腕山崎ら6人で夏を戦う。チェンジアップが不規則に落ちるエース伊藤の奮闘は欠かせない。

 

Cシード 狭山清陵

選手主体の野球浸透

球質の良い直球で勝負する狭山清陵のエース八巻

 

 選手が主体的に考える野球が浸透。春季県大会準々決勝で昌平に1―3の接戦を演じるなど、実力は十分だ。鈴木監督は「上を見すぎず一戦一戦やっていく」と夏の最高成績16強突破を目指す。
 エース八巻と強肩の捕手見方のバッテリーが守りの中心。八巻は1分当たりの球の回転数が2300回超えと球質に優れ切れのある直球で勝負できる。変化球を得意とする最速140㌔超の鎌田、打たせて取る投球が持ち味の鈴木大らの継投で最少失点に抑えたい。
 打っては八巻、井上、小達のクリーンアップが機能すれば確実に流れをつかめる。184㌢の大型遊撃手井上は主軸としての1本に期待が懸かる。春は上位を担った7番本多、8番肱黒は勝負強さと長打力を備える。選手自ら考えた打順を好結果につなげられるか。

 

Dシード 立教新座

2,3年生の融合進む

 レギュラーメンバーの半数を占める2年生と、精神的支柱の3年生の融合が進んでいる。池田監督は「選手たちが大人になってきた。力以上のものを出してくれるという期待がある」と春以降の吸収力の高さに可能性を感じている。
 チームの中心は主将の住井と副主将の長谷川の両3年生。住井は隠れた好打者として夏にブレークを狙う。扇の要である長谷川は強打とフィールディングが武器。エースの左腕並木は、強気に内角を突け緩急も巧みだ。野手から投手に専念した2年生の野川が2番手として控える。
 2回戦で所沢商との初戦を迎える。トーナメントが決定しても選手たちは「相手は関係ない。一戦一戦やるしかない」と特別な意識はない。79人の部員とスタンドが一体となり100%を出し切る。

 

Dシード 埼玉栄

打撃に自信勢い生む

 春季県大会3回戦の浦和学院戦では7―11で敗れたが、140㌔台の相手投手から2桁安打を放ち、振り負けないコンパクトな打撃を証明。山田監督は「浦学の投手に10本以上(安打を)打てたのは自信になった。ここからどう上積みができるか」と最後まで準備を怠らない。
 長打力がある3番楯、4番新川が打線の軸になる。1番中村、2番井上が好機を築いてクリーンアップで走者をかえすことができれば、チームに勢いが生まれる。
 投手陣はエース右腕の山下が大黒柱。制球力とテンポのいい投球で打たせて取るタイプ。2番手以降の起用が課題だったが、力強さがある岡田とコントロールが持ち味の和泉が春以降に急成長し、投手陣が整備された。さらに内外野の連係も強化され、安定感が増した。

 

=埼玉新聞2023年7月6日付け7面掲載=

 

 

 

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