得点分布が数値に影響
ここから先は少々ややこしい話になりますが、多くの方があやふやなイメージのまま「偏差値」という言葉と向き合っていると思いますので、これがどのようにして算出されるのかを、できるだけわかりやすく解説してみたいと思います。
偏差値は、本人の得点と平均点との差がベースになっていますが、単純な差ではありません。その模試における「得点の分布」がどのようになっているかも、数値に大きな影響を及ぼします。
一例を挙げて解説します。
模擬テストA・・・受験者10人、平均点60点
「50点、60点、80点、60点、60点、70点、50点、60点、60点、50点」
模擬テストB・・・受験者10人、平均点60点
「10点、100点、90点、50点、60点、70点、30点、80点、20点、90点」
上記2つの模擬テストは、受験者がそれぞれ10人で、どちらも平均点は60点です。しかし、10人の得点のばらつきは全く異なります。模擬テストAは平均点近くに得点が集中していますが、模擬テストBは広く分布しています。この2つのテストにおける、「80点」の偏差値がそれぞれどのような数値なのかを計算します。
模擬テストA・・・
((80点―60点)×10)/標準偏差8.94+50≒72.4
模擬テストB・・・
((80点―60点)×10)/標準偏差30.0+50≒56.7
同じ平均、同じ得点であっても、模擬テストAは偏差値72.4(かなり優秀)、模擬テストBは偏差値56.7(平均より少し良い程度)と大きな違いが出ます。この原因は、計算式の分母にあります。標準偏差とは、得点のばらつきを数値化したもので、ばらつきが大きいほどこの値は大きくなります。つまり、ばらつきが大きいほど計算式の分母が大きな値となり、分数部分の数値は小さくなります。得点が平均点と同じ時は、この分数部分の数値は0になります。計算式の最後の+50は、偏差値は中央が50となるように表現するためのものです。
今回はここまで。次回は、標準偏差について説明します。(by スクール21入試情報センター)
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