139チーム激突 9日開幕
第107回全国高校野球選手権埼玉大会は9日、139チーム(153校、連合4チーム)が参加して開幕する。2年ぶりの栄冠を狙う浦和学院と初の甲子園出場を目指す叡明がAシード。春季県大会4強の川越東と市川越がBシード、前回覇者の花咲徳栄など、同8強がCシードに入った。昨秋の県大会で準優勝した西武台、同4強の山村学園のほか、上尾、伊奈学園など公立勢もDシードから頂点を狙う。目前に迫る大会に向けてラストスパートをかける16強の戦力を、組み合わせ順に4回に分けて分析する。
Aシード 浦和学院
2冠へ向け投打充実
キレのある変化球で相手打者を封じる浦和学院のエース岡部
春の県覇者が投打盤石の布陣で夏の頂を狙う。県大会は5試合で9本塁打、チーム防御率1・35と圧倒的な力を示した。森監督は「失うものがあるから強くなれる。王者のプライドを持って、初戦から全力で戦っていく」と覚悟をにじませた。
県内屈指の強力打線は左右の巧打者がバランスよく並ぶ。上位を担う玉木、垣内は共に出塁率が4割を超える。2番の西田、通算31本塁打の主砲藤井が勝負強さを発揮したい。一発のある林田、落合、小技が光る石田が下位に控え、切れ目ない。
春に成長を遂げた投手陣は異なるタイプの6人がそろい、層が厚い。最速141㌔のエース左腕岡部は変化球の精度が抜群。右腕吉井は同144㌔の直球で三振を量産する。2年右腕伊藤、右下手投げの石川ら、春夏2冠への陣容は整った。
精神面に重点を置く
つなぐ意識でチームの得点源になる松山の5番渡辺
春は下位打線が奮起。上位へつなぎ、得点に結び付いたことで躍進の原動力になった。一戦必勝で挑む天野監督は「まずは初戦。一つのプレーを大事にしてミスを減らす。気持ちで負けずに戦いたい」と精神面での試合運びを重点に置く。
攻撃陣に派手さはないが1番赤川、2番長島は長打力を備え攻撃の起点となる。投打の柱となる吉田兼は勝負強い打撃が持ち味。投げては制球力で勝負する。吉田翔の打撃センスも光り、渡辺はけがの影響で春から復帰。打線に厚みが増した。
投手陣は吉田兼のほか、右横手投げの内藤、左腕十重田が軸となる。内藤は球威があり、カーブの切れもよく凡打の山を築く。春に急成長した十重田は楽しみな存在。球速が上がり、制球力も安定してきた。投手の起用法にも注目だ。
伝統校復活に手応え
春の県大会で28年ぶりに3回戦進出。敗れた松山戦では失策から失点を招いた。夏に向けて守備を見直し、天内監督は「毎試合決勝のつもりで戦う。伝統校復活をアピールする大会にしたい」と力を込めた。
チームのテーマは「最大得点、最少失点」。打線の中心は4番右田。春の県大会2試合で7打数5安打、うち4本が長打と存在感を見せつけた。高い盗塁成功率を誇る1番原田の出塁と、長打力を秘める篠田の打撃が得点力向上の鍵を握る。
投手は右の本格派で130㌔台後半の直球と多彩な変化球を操る菅野と右横の技巧派渡辺の2本柱。守備は位置取りなどを意識することで安定感が増した。1977年夏の甲子園出場の伝統校。指揮官は「戦えるチームの練習になってきた」と手応えを口にした。
Dシード 伊奈学園
役割生かし粘り強く
各自の役割を生かした「考える野球」で粘り強い戦いが信条。春は2試合続けて接戦を勝ち切り、16強入りした。冨沢監督は「全校生徒約2400人の大規模校。一つでも多く勝って期待に応えたい」と意気込む。
投手陣は、共に速球に力がある武井と茂木の右の2枚が中心。調子や相手打線の特徴を考慮した上で使い分ける。リードが巧みな捕手川口はチームの精神的支柱。鈴木日、岩本、内古閑のクリーンアップは好機に強く、得点の原動力となる。
春の県大会では3試合で9失策と課題があらわに。遠投や塁間走などを数値化し、選手間の競争を促すことで立て直しを図ってきた。27個のアウトを取ることのイメージを選手間で共有するなど、グラウンドでやるべきことを明確にしてきた成果を今大会で発揮する。
=埼玉新聞2025年7月4日付け8面掲載=
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