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第107回高校野球埼玉大会 シード16校戦力分析【2】

Bシード 川越東

初優勝へ組織力上昇

力強い直球を武器に試合をつくる川越東のエース梅沢

 

 春季県大会は10年ぶりに4強入り。体づくりを一から見直した冬の成果が結果に表れた。岡田監督は「冬を越え、春を戦い抜いてチーム力が上がった。初優勝を目指して、一戦必勝で挑む」と悲願の甲子園出場に向けて気合十分だ。
 春の県大会は5試合で53安打と打線がつながった。12安打のリードオフマン中島、春に頭角を現した2番多田が打撃陣をけん引する。長打力のある星、斎藤、柳の主軸が得点源。下田、片山の下位は小技も光り、足を絡めて好機を演出したい。
 投手陣は夏に向けて楽しみな存在がそろった。主戦は最速130㌔台中盤の右腕梅沢。春季県大会は左腕古沢、右腕直井の2年2人が躍動した。大会後は、登板機会のなかった左腕関根、右腕遠藤が奮起。厚みが増した投手陣がチームを支える。

 

 

Cシード 花咲徳栄

連覇へ 投手力底上げ

巧みなバットさばきで広角に打ち分ける花咲徳栄の3番田島

 

 現チームは春8強が最高成績。2017年に全国制覇を果たした夏に強い〝徳栄〟が2連覇を視野に入れる。右腕正岡に頼ってきた投手力の底上げを図った。岩井監督は「夏は甘くない。一戦一戦確実に取っていく」と気を引き締める。
 春は最速144㌔右腕の田島が肘の故障で登板を回避した。夏はエースナンバーを背負い試合をつくる。2番手の正岡も直球に力があり、ともにスタミナも申し分ない。ワンポイントの右下手投げの清水ら豊富な投手陣をそろえる。
 打撃は選球眼の良い1番岩井の出塁が鍵。広角に打ち分け、パンチ力のある田島、勝負強い水口ら中軸の前に走者を置きたい。下位は俊足の酒井、巧打の西岡らが上位へつなぐ。打線に切れ目がなく、どこからでも勝負強い攻撃が期待できる。

 

 

Dシード 狭山ケ丘

打力向上へ課題克服

 春の完封負けを教訓に上位クラスの投手を念頭に置いた打ち込みで打力を強化。各自が課題克服を図り、夏を迎える。熊谷監督は「挑戦者として一戦一戦集中するだけ。やるべきことをやり、勝利を手にしたい」と地に足を着けた戦いを描く。
 出塁率の高い1番野村と、ボールを的確に捉える3番金田が打線をけん引。春の県大会2回戦では、6本の長打を含む17安打に六つの犠打飛を絡め、12得点と攻撃力の高さを示した。着実に得点圏へ走者を進める攻撃は、相手にとって脅威となる。
 投手陣は、春に登板機会のあった右の佐々木、沢、松江、堀口に、左は福田と勝利した昨秋の昌平戦で先発した永野を擁する豊富な顔触れ。状況に応じた起用が想定され、夏を勝ち上がるために必要な戦力が整った。

 

Dシード 上尾

一球重んじ一致団結

 2季連続県大会で浦和学院に敗戦。昨秋は1点差の接戦を演じたが、今春はコールドで屈した。高野監督は「心技体全てで勉強させてもらった。全員で戦いたい」と一丸の姿勢を重んじ、一球の大切さを植え付けた。
 春の県大会では2試合で2桁安打を記録。1回戦では6連打を放つなど集中力を発揮した。俊足の1番石田、広角に打てる3番皆川、勝負強い5番岡田と経験豊富な3人が打線を引っ張る。7番渡辺光はチーム一のパワーの持ち主で、下位打線でも得点機をうかがう。
 先発候補は皆川、渡辺冬、市川の右の3投手。左の1年武田も控える。いずれも制球力で勝負するタイプだけに、バックが確実にアウトを取りたい。5回戦で、準優勝した昌平に1点差で敗れた夏から1年。上尾がDシードから巻き返しを狙う。

 

=埼玉新聞2025年7月5日付け7面掲載=

 

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第107回高校野球埼玉大会 シード16校戦力分析

 【1】浦和学院/松山/川口工/伊奈学園

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