埼玉新聞社 高校受験ナビ

第107回高校野球埼玉大会 シード16校戦力分析【3】

Bシード 市川越

競争力増し成長期待

高めた制球力で打たせて取る市川越のエース右腕玉井

 

 秋季大会は西部地区代表戦で敗れたが、春季大会は4強に進出し躍進した。川越商時代の1989年以来、36年ぶりの頂点を狙う。室井監督は「主力を欠いた春の大会でチームの競争力が増した。守備からリズムをつくる」と成長した選手らに期待する。
 秋以降は投手力を強化してきた。エース右腕玉井が投手陣をけん引。玉井は打たせて取るタイプ。制球力に磨きをかけ、スタミナを強化。最速140㌔の右腕森村、左腕栗本ら他の5投手がエースの負担を軽減する。
 打線は出塁率が高い中村が1番を担う。長打力のある3番森とけがの影響で春季県大会に出場機会がなかった4番斎藤は勝負強さが光る。7番森村のパンチ力も魅力だ。各選手が複数のポジションを守ることが可能で、戦略の幅を広げる。

 

Cシード 早大本庄

実績重ねさらに上へ

堅実なミート力で打線の軸になる早大本庄の5番田中

 

 秋季大会16強、春季大会8強と実績を重ね、さらに上を目指す。基礎体力の強化に務めてきた選手が一戦一戦集中して挑む。福永監督は「シード校という意識はない。技術的なことよりも身体能力の向上を図った」と力を込める。
 エース右腕田中が投打の中心。秋に最速143㌔を計測した。スライダー、チェンジアップなど変化球を駆使し、要所でギアを上げていく。打っては長打力を秘め、クリーンアップを務める。巧みなバットコントロールで鋭い打球を放つ。
 福永監督がWエースと期待を寄せる左腕岡安は緩急を使い勝負する。身長178㌢から角度のあるボールを投げ込む。打線は3番渡辺が広角に打ち分ける。左打者が多く7番佐藤は両打ち。上位から下位まで遜色ない打者がそろう。

 

Dシード 西武台

心機一転で快進撃を

 1988年以来2度目の甲子園出場へ手応えは上々だ。簡単な相手はいないが、勝ち上がりながら勢いを加速させるため、投手は分業制を採用する。中心は最速143㌔の右腕吉良だが、技巧派左腕の加藤、春季大会はベンチ外だった182㌢左腕追木らが控える。
 打線ではチームプレーを徹底できる好打者の1番今沢、春季大会3回戦の川越東戦で一発を放った4番の田代が軸。河野監督は「日替わりで7番にキーマンを置く」と戦略に幅を持たせ、切れ目のない打線を組む。
 今大会は夏限定のユニホームを新調した。ローマ字表記だった胸の「SEIBUDAI」を甲子園に出場した当時と同じ漢字の「西武台」に変更。「OBの方々の力強い後押しを受けたい」と思いを込め、心機一転、快進撃を狙う。

 

Dシード 山村学園

主軸の出来が鍵握る

 今年のドラフト会議で注目を集めるであろう主軸横田の活躍がチームの成績を左右しそうだ。岡野監督は「いかにチャンスで横田に回すか」と包み隠さずに主将の名前を挙げる。個性豊かな選手たちを適材適所で起用し、見ている人たちが面白いと思える野球を目指す。
 3番横田の後ろには、監督が「チームで2番目にいいバッター」と話し、勝負強さが光る2年畠山を4番に配置する。守備力が魅力の1番磯は打撃も成長し長打力を秘め、2番門田は後続へのチャンスを演出する。
 投手陣も枚数をそろえる。エース右腕横田を軸に、下級生にも140㌔超えが並ぶ。力強い直球の2年右腕菊村と、切れ味で勝負する2年右腕の浜本。1年島本もセットアッパーとして控える。疲労を考慮した「マシンガン継投」に注目だ。

 

=埼玉新聞2025年7月6日付け9面掲載=

 

サイト内の

市立川越高校の基本情報は→こちら

早稲田大学本庄高等学院の基本情報は→こちら

西武台高校の基本情報は→こちら

山村学園高校の基本情報は→こちら

 

第107回高校野球埼玉大会 シード16校戦力分析

 【1】浦和学院/松山/川口工/伊奈学園

 【2】川越東/花咲徳栄/狭山ヶ丘/上尾

カテゴリー

よく読まれている記事

最新の記事

TOP