初戦の投球「心待ち」
リレー競走を取り入れたランニングトレーニングを見守る小原沢重頼投手コーチ(中央)=2月4日、さいたま市緑区の九里学園大崎総合運動場
浦和実で投手陣のコーチを務めるのは、元プロ野球選手で同校OBの小原沢重頼さん(55)=三郷市出身。現地には同行していないが、「今まで教えたことをアレンジして、今ある道具とその日の場所でやれることを考えながらやってくれている」と選手に託し、初戦を心待ちにしている。
小原沢コーチは浦和実高から城西大に進み、1991年にドラフト2位で巨人に入団。98年にロッテに移籍し、現役引退後は、明星大コーチ、城西大監督などを経て、2020年から母校で投手コーチなどを務める。
大学での指導経験を生かし、たどり着いたのは「ヒントを与えて、アンサーは選手それぞれが出すスタイル」。一方通行の指導ではなく、選手との意思疎通を大事にして考える力を育てる。
「言葉に表せない子も文字なら伝えられる」と21年に始めた野球日誌も重要なコミュニケーションツールの一つ。現在は投手14人が一日交代で練習の反省や改善点、目標などを自由に書き、コーチが目を通して次の選手に渡す。昨秋から捕手も加わり、互いの意見や考えを学ぶ交流の場となっている。
投手陣の練習方法が多岐にわたるのも浦和実ならでは。「(内容を)変えることで選手がより一生懸命やってくれる」と競走やゲーム要素を付け足すなど、マンネリ化を防ぐために効果や鍛える箇所が同じでも、やり方を頻繁に変えるのが小原沢流だ。
投手キャプテンの角国純也は「楽しくやれて毎日ランメニューをやっても飽きが来ない。雑談をしながら相談に乗ってくれるので大阪にいないのが寂しいくらい」と絶大な信頼を寄せている。
試合当日はスタンドからまな弟子たちにエールを送る。小原沢コーチは「全国でいつもの大胆な投球ができるか楽しみでしかない。先発が責任を持って試合をつくってほしい」と期待を込めた。
=埼玉新聞2025年3月20日付け6面掲載=
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