思い背負い 憧れの地へ
辻川 正彦 監督
22歳の若さで監督に就任。関西遠征で甲子園球場の近くを訪れても、「行くなら絶対自力で」と見学は一度もしなかった。「何回もくじけた。でも勝ちたい、甲子園に行きたいという気持ちは消えなかった」。37年目にして悲願の切符をつかんだ。
若い頃は厳しい激(げき)を飛ばすことも多かった。それでも師を慕い、親子や兄弟で同部の門をたたく者が多い。「これからこいつらの人生が変わる。楽しんでほしい」。教え子と共に、今まで支えられてきた全ての人の思いを背負い聖地に立つ。
つじかわ・まさひこ 桶川東中―城西大城西高(東京)―国士舘大。大学時代は準硬式野球部に所属しポジションは一塁手。大学卒業後、保健体育科教師として浦和実高に就職。同時に硬式野球部の監督に就任。途中、総監督、部長の期間を経て、2023年8月に現職復帰。桶川市出身。1965年4月19日生まれ。59歳。
投
両左腕が相手を翻弄
タイプの異なる石戸、駒木根の両左腕がダブルエースを担い、打者を翻弄(ほんろう)する。
石戸は右膝を顔につくほど高く上げる変則的なフォーム。球の出どころが見えづらい上に抜群の制球力を武器とし、110㌔台の直球と80㌔台の変化球で凡打の山を築く。駒木根は下級生から主力を担う経験豊富な強心臓の持ち主。130㌔中盤の速球を力強く投げ込み球威で押せる。共に完投能力を備える頼もしい存在だ。右腕の角国、塚田も控える投手力から最少失点で試合をつくりたい。
秋季関東大会準々決勝 つくば秀英―浦和実 被安打4で完封した浦和実の左腕石戸
攻
小技を絡め得点圏へ
昨秋のチーム打率は2割7分9厘。長打を打てる選手は多くないが、小技を絡め走者を得点圏に進める攻撃は見事だ。それぞれ犠打飛6本を記録した工藤、橋口、深谷は3人で計14打点。橋口は17安打で打率5割超え、工藤も9安打と役割を果たす。
1番斎藤、2番佐々木は50㍍6秒3の俊足の持ち主で、3番山根で好機を広げられるかが肝要。長打を狙える4番三島、14安打9打点と秋に飛躍した5番野本につなぎ、執念の1本で1点でも多く稼ぎたい。
秋季関東大会1回戦 浦和実―宇都宮工 3回裏2死一、二塁、三島の中前打で二塁走者斎藤が生還。捕手宇塚
守
堅実さに安定感増す
昨夏のレギュラー5人が残る頼もしい布陣。捕手野本は配球能力が高い上に、その強肩で走者を自由にさせない。好守が光る深谷、橋口の二遊間は秋に自信を深め、ともに強みに守備力を挙げた。一塁手三島、三塁手工藤も安定感が増した。
昨秋の外野は守備位置を細かく調整する要の中堅手に斎藤、左翼手にガッツある佐々木、右翼手に堅実な山根が並んだ。打撃が好調な田谷野も、レギュラー争いに名乗りを上げる。取れるアウトを着実に積み重ねられるかが鍵を握りそうだ。
=埼玉新聞2025年3月18日付け特集紙面掲載=
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