手作りのベンチ5台寄贈
県立秩父農工科学高校(秩父市大野原)の生徒が手作りしたベンチ5台が2日、羊山公園(同市大宮)の芝桜の丘に設置された。同校は2007年からヒノキ間伐材を活用したベンチを市に寄贈。15年間で計135台を芝桜の丘に設置し、来場者たちに憩いの場を提供している。
ベンチは、ヒノキ間伐材の有効利用や地域貢献、郷土愛の醸成などを目的に、森林科学科の生徒が約8カ月かけて制作。ヒノキの伐採、搬出、加工までを一貫して行っている。今回寄贈したベンチは3月に同校を卒業した生徒7人が完成させた。
材の太さは15~30㌢ほどで長さは2㍍以上。伐採後に、急勾配の山道から担ぎ出す作業は根性と根気が必要だという。ベンチ寸法は長さ185㌢、幅40㌢の4人掛けに統一し、高齢者が利用しやすいように通常のベンチより低く設定している。
1日に秩父市役所で韮塚光信校長が北堀篤市長に目録を贈呈。2日に同科の生徒7人が芝桜の丘にベンチを設置した。ベンチ寄贈は過去に、県教育局関係計8台、岩手、宮城、福島3県の東北被災地仮設住宅などに計16台行っている。
来年寄贈するベンチを制作中の同科3年宮谷明光さん(17)は「くぎを使わずに木を接合する作業が大変で、先輩たちの苦労が分かった。みんなに喜んでもらえるベンチを作りたい」と話していた。
先輩が手作りしたベンチを運ぶ秩父農工科学高校森林科学科の生徒たち=2日午前、秩父市大宮の羊山公園芝桜の丘
=埼玉新聞2021年6月3日付11面掲載=
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