さいたま市大宮区の鉄道博物館で24日、「工業高校生がつくる鉄道展」が開催された。県教育委員会と同館が連携し、県立工業高校の生徒たちが取り組む 「鉄道をテーマとした課題研究」の発表の場として2011年から実施している。駅の立体模型やミニ鉄道車両など、工業高校生ならではのアイデアが詰まった作品の数々に、来場者は感心していた。
工業高校生が製作したミニ車両「上越新幹線とき」と「銀河鉄道機関車だいちⅡ号」=24日、さいたま市大宮区の鉄道博物館
大宮工業高校建築科の生徒が約半年をかけて作ったのは、大宮駅の立体模型。幅140㌢、奥行860㌢、高さ3・1㌢で実際の300分の1のスケールになっている。MDF板(厚さ2㍉)を用いて、レーザー加工を施した。大宮駅の各ホームに出入りする鉄道車両の動きを、プログラム制御したLEDテープライトで表現した。
3年生の原田悠聖さん(18)は「渋谷駅の模型を授業の中で見て、自分たちも大宮駅を作ろうと思った。図面がなかったので苦労したけれど、完成した時はすごく達成感があった」と話した。同校は22年に鉄道博物館の外観、23年には同館の車両ステーション模型を製作した。
来場者に大人気だったのは、生徒が設計と製作したミニ鉄道車両の体験乗車。越谷総合技術高校が製作したE4系新幹線(MAX)タイプの「上越新幹線とき」は4両編成で定員8人(乗務員1、乗客7)。繊維強化プラスチックのボディーとバッテリー回生ブレーキ機能を搭載した。電気モーターで稼働し運転席が後ろにあるのが特徴という。
久喜工業高校は、「銀河鉄道機関車だいちⅡ号」を製作。4両編成、定員7人(乗務員1、乗客6)でモーター2基を使用し、自作の特殊車輪とステアリング機構でレールなしでも走行可能。ミニ車両はそれぞれ5?ゲージを直線約30㍍往復走行した。
ミニ新幹線に乗車した浦和区の水野凪葵ちゃん(4)は「楽しい。10回乗りたい」と大はしゃぎ。母親の恵理さん(44)は「高校生が作ったと聞き、びっくりした。振動が少なく、乗り心地も良かった」と感心した様子で話した。
この日、両車両には延べ約1000人の〝乗客〟があり、親子連れらが楽しく写真撮影などをしていた。このほか鉄道展では、県産業教育フェアで表彰された「夢のイラストコンテスト」入賞作品も展示された。
=埼玉新聞2024年11月27日付け10面掲載=
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