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関東高校新人大会 昌平4強ならず/川越東は初戦敗退

【1回戦】

昌平快勝 8強入り

(第1日、8日・山梨県御勅使南公園)

 1都7県の代表16校が参加して開幕した。1回戦8試合を行い、埼玉1位の昌平が東海大浦安(千葉2位)に35―5で勝利して、準々決勝に進出。埼玉2位の川越東は流通経大柏(千葉1位)に15―43で敗れた。
 昌平は14―0で前半を折り返すと、後半もナンバー8但木の2トライなどで得点を重ね、前後半で計5トライ。失点は後半30分の1トライ、5点のみとし快勝した。
 川越東は前半5分にFB岡部のPGで3点を先制。前半を3―21で折り返した。後半は2トライを挙げたが、相手に計7トライを奪われ追い付けなかった。
 初戦を突破した昌平は第2日の9日、準々決勝で茗渓学園(茨城1位)と争う(11時45分・山梨県御勅使南公園Aグラウンド)。昌平は既に開催県枠での全国高校選抜大会出場が確定しているが、勝利して4強入りすれば関東6枠として自力での出場が決まる。

 

 序盤から接点で優位に立った昌平が東海大浦安に押し勝った。
 昌平は試合序盤から敵陣でプレー。前半12分にフッカー斉藤が先制トライを奪うと、細かなパス回しで運び後半までにナンバー8但木、CTB宮本が2トライずつ追加。計5トライで突き放した。失点は後半30分の1トライのみと、FWを中心に球際で粘り強く堅守を貫いた。

 

接点で勝り主導権

昌平―東海大浦安 前半、昌平のCTB宮本(中央)が突破。その後トライを決める(提供)

 

 接点で勝り、優位に試合を進めた昌平が、東海大浦安を下し8強に進出した。船戸監督は「スコアしたいタイミングでできていない。2年生にはもっと引っ張っていけるようになってほしい」と5トライの快勝にも、内容に注文を付けた。
 試合開始からFW陣が前に出てボールを進め敵陣でプレー。ゴール前の昌平に有利な場面で「相手の守備にてこずって、勝っているのに精神的に焦っていた」とナンバー8但木。コミュニケーションを増やし精神的余裕を持てるかが課題だ。
 後半は判断力にたけるCTB宮本にボールが集まり出し、そこを起点にパスワークの良さで3トライを奪った。それでも宮本は「展開をちょっと変えればもっとトライが取れたはず」。アタックの要として貪欲にチームの勝利を考える。
 4強入りを懸けた次戦の相手は、強力なバックス陣を擁する茗渓学園。宮本は「勝っても負けても自分たちには次がある。思い切りプレーして出し切って勝ちたい」。関東6枠の自力出場を狙い、真っ向勝負を挑む。

 

川越東 初戦敗退

 強力なタックルで守備から食らい付いた川越東だったが、流通経大柏のアタックを止めきれず初戦で敗退した。
 川越東は前半5分FB岡部のPGで3点先制。後半はFWが守備を引き付け、空いた外のスペースから13分にWTB吉田、25分にWTB飯野がトライを奪った。後半に気を吐いたが、前後半で計7トライを献上し追い付けなかった。

 

春につながる局面のプレー

流通経大柏―川越東 後半、川越東のWTB飯野(手前)がトライを決める(提供)

 

 川越東は持ち前の気持ちを前面に出した守備で流通経大柏に挑んだ。5トライ差の敗戦にも望月監督は「点数は取られているけれど一つ一つの局面でのプレーは春につながるものだった」と必死に食らい付いた選手たちの姿勢を評価した。
 風下の前半はFWとバックスが一丸となった全員守備で3―21と耐えた。「前半の守備で体を張れたからこそ、後半バックス陣でトライを取り切る意識が芽生えた」とWTB飯野。練習してきた展開ラグビーを発揮し、後半13分にWTB吉田、同25分に飯野がトライを挙げた。
 主将の飯野は「全国で名があるチームからトライが取れた。やりたいラグビーができた部分もあって、十分すぎる戦いだったと思う」。敗戦から得たものは大きく、胸を張って前を向いた。

 

【2回戦】

(第2日、9日・山梨県御勅使南公園)
 準々決勝4試合を行い、埼玉1位の昌平は茗溪学園(茨城1位)に0―57で敗れ4強入りを逃した。
 昌平は茗渓学園のバックス陣のスピードに守備を崩され、前半は2分の失点を皮切りに5トライを献上。前半の終盤はゴール前まで攻め込み敵陣でプレーしたが、タックルで押し戻され決定機をつくれなかった。後半も相手の勢いを止められず4トライを奪われた。
 昌平は第3日の15日、目黒学院(東京2位)と順位戦を実施(11時45分・神奈川県立スポーツセンター)。勝利すれば全国高校選抜大会への関東6枠での自力出場が決まる。敗戦した場合、開催県枠での出場となる。

 

 昌平は接点とスピードの両面で相手に主導権を握られ、茗溪学園に敗れた。
 試合開始直後の2分、昌平はラインアウトモールで押し負け、飛び出した選手をカバーできず失点。その後は1対1で相手バックス陣を捉え切れず走られ、前後半で9トライを奪われた。アタックはゴール前で強度の高いタックルに押し戻され、1トライが遠かった。

 

速さと強度に歯立たず

昌平―茗溪学園 前半16分、昌平のプロップ川端(右)が攻め込む

 

 初の4強入りを目指した昌平だったが、茗溪学園の圧倒的なスピードと強度に攻守で歯が立たなかった。船戸監督は「前への推進力が圧倒的に少ない。責任、プライドをもっと見せていかないといけない」と唇をかんだ。
 献上した9トライ中、3本がモール起点。6本は守備の乱れから独走トライを許した。主将の宮元は「振り回されて相手のやりたいようにさせてしまった」。今冬の全国大会16強入りしたメンバーがリザーブも合わせ7人残る茗渓学園の全国レベルのランスキルに翻弄(ほんろう)された。
 アタックはCTB宮本のランで切り裂き、プロップ川端、フッカー宮元の昨季経験者が縦への強さを生かし中央を突破。外のWTB長田、FB市来らにつないだが、相手タックルに耐え切れず押し戻され、決定機をつくれなかった。
 能力が高い選手がいる中で、互いを生かすために戦力の底上げと連係が課題。宮元は「少しずつ役割の徹底はできている。次は最初から気持ちを入れて相手をつぶすくらいの気で臨みたい」。まずは気持ちで勝ちたい。

 

全体の成長図る

プロップ 川端

 昌平のプロップ川端が持ち前のボールキャリーで難航したゲインラインの押し上げに貢献した。「ほかのFWたちを引っ張っていけるように前に出てゲインしたかった」とバックスと連携を図り、相手の隙を突いてボールを前に進めた。
 昨季からスタメン入りする川端だが、人前に立って指示を出すのは苦手なタイプ。「発言は得意ではないけれど、試合では心がけている。リザーブも含め、スクラムの強化を図っていきたい」と2年としてチーム全体を成長させたい。

 

=埼玉新聞2025年2月9日付け11面、11日7面掲載=

 

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