女子 埼玉栄2年連続2位
春日部女子、初の全国へ
全国高校駅伝初出場を決めた春日部女のアンカー大杉=22日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
男子第78回、女子第34回関東高校駅伝は22日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場および同公園内コース(男子=7区間42・195㌔、女子=5区間21・0975㌔)で関東1都7県の予選を通過した男子49校(オープン参加1校)、女子48校が参加して行われた。
女子は埼玉栄(松浦、菅原、福山、松本、永井)が1時間9分50秒で2年連続の準優勝。3区福山が区間賞に輝いた。県予選3位の春日部女は1時間13分9秒で14位。北関東4県(埼玉、群馬、栃木、茨城)の県予選優勝校を除く最上位校となり、全国高校駅伝(12月21日・京都)の初出場を決めた。
男子は4連覇を狙った埼玉栄(馬場、利根川、大谷、柳本、井上、沢口、水越)が2時間6分46秒で10位だった。
男女ともに県予選で優勝した埼玉栄は、既に全国高校駅伝出場を決めている。
新戦力起用 層に厚み

女子 埼玉栄のアンカー永井が2位でゴールする
女子の埼玉栄は2年連続で準優勝。17年ぶりの王座返り咲きを狙ったが、トップに約1分及ばなかった。田村監督は「1区松浦の好走や駅伝初レースとなる4区松本が頑張ってくれた。みんなよくやってくれた」と全国を見据えて手応えをつかんだ様子だった。
1区松浦が区間2位と好走し、トップと21秒差で2区菅原へたすきをつないだ。松浦は「レースの流れをつかめなかったけれど、タイムはすごく良かった」と集中力を保ち、強気で先頭を追う力強い走りを見せた。
2区で一つ順位を落としたが、3区(3㌔)に起用されたエース福山がスピードを武器に仕掛け区間賞を獲得。チームを勢いづける快走に、初駅伝となった1年生の4区松本の緊張がほぐれ、安定した走りでアンカーの永井へたすきを渡し、最終的に2位を守った。
全国大会に向けて新戦力を起用し、チーム力の底上げを図った。松本は「前を行く選手を必死で追いかけた。もっと成長したい」と上昇志向。層の厚さを実感し、自信をつけた選手たちが1カ月後の都大路に挑む。
快挙達成に歓喜の涙

女子 春日部女の2区荒井(左)から3区市橋にたすきが渡る
女子の春日部女が北関東枠で都大路初出場を決めた。レースを終えると快挙を達成した選手たちは歓喜の涙を流し、互いに健闘をたたえた。照沼監督は「アンカー勝負になると思っていた。前半、よく耐えてくれた。たくさんのOGから力をもらった」と喜びをかみしめた。
レース前、指揮官は「相手の動きは気にするな」と選手たちに言葉をかけた。信じるは自らの力。1区中村からたすきを受け唯一の3年生荒井が後輩たちを引っ張る走りを見せた。
荒井は「積極的に走れた」と日頃から取り組む、残りの300㍍を全力で走る練習の成果を発揮。ラストまで力を出しきる姿勢が3区以降を走る2年生たちに伝わり、終始10番台前半で順位をキープした。
昨年は20年ぶりに関東大会に出場し、結果は21位。今回は順位を上げ、都大路〝最後の1枠〟を獲得した。アンカーの大杉は「楽しく走れた。信じられない」と実感が湧かない様子。感謝の気持ちを忘れず、初めての全国の舞台を駆け抜ける。
男子 埼玉栄
流れつかめず10位

男子 埼玉栄の1区馬場(左)が粘りの走りでレースをつくる
4連覇を狙った男子の埼玉栄は10位に終わった。1区馬場、2区利根川が序盤に好走もレースの流れをつかめなかった。神山監督は「優勝を狙っていたが8位入賞も逃した。それでも1区、2区がリードしてくれた」とうなずいた。
1区馬場が粘り強く走った。先頭集団後方から食らい付き、トップと20秒差の9位で2区利根川にたすきリレー。馬場は「しっかり利根川へつなげた」と1区の責任を果たした。利根川は区間4位の走りで5位まで順位を上げたが、勢いは続かなかった。
県予選と異なるメンバーでレースに臨んだ。スピードのある根ケ山が県予選後の体調不良もあり欠場したが、各自が持てる力を発揮した。馬場は「都大路では3位入賞を目指す」と力を込め、残り1カ月練習に励む。
後半に浮上も「力不足」で14位
武蔵越生
9年ぶりの都大路を目指した武蔵越生は全国への切符に届かなかった。1区で24位と出遅れたが徐々に順位を上げ、最後はアンカー原で14位にまで浮上した。原は「力不足。一緒に走った相手が強かった」と潔く結果を受け入れた。
1区竹多が気持ちを前面に出し、2区大脇へたすきをつないだ。竹多は4日前に体育の授業で左足を捻挫し、痛み止めを飲んで出場。竹多は「どしても走り切りたかった」と全国大会出場を夢見て完走を果たすと、充実した表情を見せた。
=埼玉新聞2025年11月23日付け9面掲載=
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