男子第77回、女子第33回関東高校駅伝は16日、前橋市総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場周辺コース(男子=7区間42・195㌔、女子=5区間21・0975㌔)で関東1都7県の予選を通過した男女各48校が参加して行われた。
男子は埼玉栄(岸本、三井、馬場、出口、利根川、岩田、高沢)が2時間5分11秒で3年連続22度目の頂点に立った。1区岸本、5区利根川、6区岩田が区間賞を獲得した。県予選2位の武蔵越生は2時間9分4秒で12位だった。
女子は埼玉栄(久保田、長浜、斉藤、前田、永井)が1時間10分10秒で準優勝。2区長浜が区間賞に輝いた。県予選3位の昌平が12位。同2位の春日部女は21位だった。
男女ともに北関東4県(埼玉、群馬、栃木、茨城)の県予選優勝校を除く最上位校に全国高校駅伝(12月22日・京都)への出場権が与えられたが、県勢は代表権を逃した。県予選で男女優勝した埼玉栄はすでに全国高校駅伝出場を決めている。
経験と若さ 全国へ弾み
男子 3連覇を達成した埼玉栄のアンカー高沢
男子の埼玉栄が関東の並み居る強豪を圧倒した。1、2区の経験豊富な主力陣に1年4人のフレッシュさを取り入れ、3連覇を達成。神山監督は「関東王者として京都に臨むのがテーマだった。通過点として非常にいい内容」とうなずいた。
1区のエース岸本がロードの強さを発揮した。スタートから先頭集団に取り付くと「起伏の走りにリラックスして臨めた」とラスト300㍍地点で抜け出した。たすきを受けた2区三井は約1年ぶりの3㌔を苦にせずに後ろとの差を広げた。
県予選と異なり、中盤区間で後続の圧力を経験したのは今大会の収穫。3区馬場は「後ろは関係なく自分の走りに集中できた」と2番手と約10秒差の展開にも崩れなかった。3~6区は1年4人の勢いのある走りで突き放すと、アンカー高沢が右手を突き上げてゴールテープを切った。
県の絶対王者が関東でも1分以上の差をつけ、全国へ弾みをつけた。主将の岸本は「昨年は関東連覇で2年連続の全国入賞。伝統を崩さず表彰台を目指して最低限入賞をする」と自信たっぷりに都大路に挑む。
得意の中盤 影潜め12位
武蔵越生
8年ぶりの全国出場を目指した男子の武蔵越生は得意の中盤勝負が影を潜め12位でゴールした。丸山監督は「自信を持って送り出したので、振るわなかったのは仕方がない。力不足だった」と悔しさをにじませた。
県予選から奮い立ち、都大路出場に向けて気持ちを一つにした。1区神田晴、4区神田雅、アンカー梶と実力のある3年3人がここまでチームをけん引。梶は「力を合わせて総合力の高いチームだった。来年の都大路につなげてほしい」と後輩に思いを託した。
16年ぶりVにあと2秒
女子 埼玉栄の1区久保田(中央)から2区長浜にたすきが渡る
女子の埼玉栄は16年ぶりの栄冠にわずか2秒及ばなかった。田村監督は「考えていたプランにほとんどはまった。厳しいかと感じていたが、最後まで頑張り、多くの収穫を得ることができた」と手応えをつかんだ。
1区久保田からレースプランを完璧に遂行した。久保田が18秒差の7位でつなぐと、2区長浜は「ここで勢いづけるプラン。強い気持ちで走った」と首位に立った。3区斉藤、4区前田で2位を死守。アンカー永井が追い上げたが、あと一歩及ばなかった。
県予選からエース福山らメンバー3人を変更し底上げを図った。初駅伝の1年2人も台頭し、田村監督は「誰が出てもやれる層の厚いチームが出来上がった。全国の強豪校にも食らい付いていきたい」と1カ月後の大舞台を見据えた。
エース復帰も都大路導けず
昌 平
女子の昌平は、北関東代表の全国切符に15秒届かなかった。1区のエース成瀬が10秒差の4位スタートと流れをつくったが、代表権を獲得した水城(茨城)の追い上げをしのげなかった。竹野谷監督は「去年も13秒差で水城にやられた。完全に力負け」と悔やんだ。
県予選で欠いたエースの復帰でチームは雪辱に燃えた。メンバー唯一の3年成瀬は悔しさを結果で示し、チームに貢献。成瀬は「都大路まで導けずに残念。負けた悔しさを忘れずに来年にかなえてほしい」と願った。
20年ぶり舞台 絆の強さ体現
春日部女
20年ぶりの関東大会に出場した春日部女は「関東一の仲良しチーム」を体現し、絆の強さで走り切った。1区の1年大杉が26位と大きく遅れるも2区佐々木、アンカー田中の3年ら後ろに控える上級生がカバーした。
21位に終わったが力は出し切った。主将の田中は「ずっと目標としていた関東という舞台をみんなで楽しんで頑張れた」と目を赤くした。
=埼玉新聞2024年11月17日付け9面掲載=
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