城北埼玉高2年 大宮さんと酒井さん
川越市古市場の城北埼玉高校の男子生徒2人が、障害者アーティストの絵画を取り入れた2025年度のカレンダーを作製した。25年の干支(えと)巳(み)をモチーフにした作品を、A2判に大きく配置したデザインだ。2人は「カレンダーを通じ、これからの時代を担う若い人たちに障害者のアートや、その課題を知ってほしい」と呼びかける。
障害者アートのカレンダーを作製した城北埼玉高校の大宮卓也さん(右)と酒井雄斗さん=12日午後、川越市内
干支のヘビモチーフ 2種類
カレンダーを手がけたのは、いずれも同校2年の大宮卓也さん(17)と酒井雄斗さん(17)。市内の一般社団法人「リアート」(ヴェソラウスキー阿里耶・代表理事)が連携した。
障害者のアート作品を活用し、新たな商品を提案しようと23年に開かれた「川越リアートフェスティバル」。この場で城北埼玉高の当時の生徒が、障害者アートを活用したカレンダーを発表し、24年に商品化した。
大宮さんと酒井さんによる25年度のカレンダーは、同世代への障害者アートのアピールを目指して作製された。
作業に当たって2人はリアートの阿里耶さんに相談。阿里耶さん側から提案があった絵画3点のうち、障害者アーティストのtaigaさんと古川舜一さんのヘビの2点を採用した。
taigaさんのヘビは画面を広く使って青や赤、黄色などで描かれ、古川さんの作品は緑色やピンク色などの模様をまとい体をくねらせるヘビが表現されている。
酒井さんは「ぱっと見て『インパクトいいな』という作品を選んだ」と明かし、taigaさんの絵画に「上に向かっていく姿に感銘を受けた」と話す。古川さんの作品について、大宮さんは「シンプルで、ヘビの華やかさが引き立っている」と説く。
カレンダーは2種類。いずれも黒地に、作品と曜日などが入っている。2人は24年11月ごろから作業を開始。パソコンでレイアウトなどを行い、印刷業者に発注した。
大宮さんは、酒井さんとの共同作業に「自分たちも楽しめた。ミスもあったが、それを補ってこそのチーム」と振り返り、「得意不得意の中でサポートするからこそ、世の中は回っていく。社会全体に広がっていくきっかけが、このカレンダーなのかなと感じている」と語る。
1部500円で計100部作製。このうち50部は生徒が販売し、売り上げを制作費と手数料に当てる。別の50部はリアートに譲渡し、売り上げはアーティストとリアートで分配する。市内のイベントなどでも販売する予定だ。
問い合わせは、リアート(☎080・3094・5078、またはメールアドレスkawagoereart@gmail.com)へ。
=埼玉新聞2025年3月18日付け11面掲載=
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