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震災を「自分ごとで考えて」 浦和一女で出前授業

 東日本大震災を次世代へ語り継ぎ、福島県の復興状況を知ってもらおうと、復興庁は9月30日、さいたま市浦和区の浦和第一女子高校で出前授業を開いた。県内での開催は初めて。岡野正明風評リスコミ・広報班企画官(49)が講師を務め、震災の状況や復興への道のりを説明。授業を希望した生徒34人が耳を傾け、大震災を自分ごととして考えた。

 

生徒から質問を受ける復興庁の岡野正明風評リスコミ・広報班企画官(中央)=9月30日午後、さいたま市浦和区の浦和第一女子高校

 

 授業では、岡野企画官が東日本大震災の概要について講義。同震災を地震と津波に原子力事故も加わった「未曽有の複合災害」と説明した。原発事故によって放射性物質が放出され、広範囲の住民が避難を余儀なくされたことに言及。原発事故の当時の状況や風評被害、廃炉に向けたその後の取り組みを動画なども使いながら解説した。
 生徒は、福島県の風評被害の払拭、放射線の基礎知識や健康影響などを正しく知ってもらうにはどのような取り組みが必要か、3~4人の班に分かれて議論。「出前授業を学校全体で行い、給食で福島の食材を使う」「被災地の現状を伝えるポータルサイトをもっと広める」などの意見が出た。
 岡野企画官は「出前授業をきっかけに、震災を自分ごととして考える機会にしてほしい。科学的根拠に基づく情報発信や、家庭で話題にしてもらうことで、取り組みの拡散効果を広げていく」と話した。
 2年の日永田葵さん(17)は、テレビなどであまり触れられない復興の様子が気になって受講を決め、「復興の状況を伝えるための具体的な活動が知れて面白かった。良い知識を得ることができたので、福島に限らず、友達や家族に伝えていきたい」と振り返った。
 出前授業は2022年度から始まり、24年度までに全国31カ所の中学、高校で実施された。本年度は全国16校で実施を予定している。

 

=埼玉新聞2025年10月3日付け16面掲載=

 

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