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高校ラグビー埼玉大会決勝 川越東が3年ぶり2度目の花園へ

川越東 歴史刻む4冠
昌平の反撃も1T

川越東―昌平 前半10分、川越東のWTB石本が突破を図る=18日、熊谷ラグビー場

 

 ラグビーの第103回全国高校埼玉大会(埼玉新聞社など後援)最終日は18日、熊谷ラグビー場で決勝を行い、第1シードの川越東が第2シードの昌平を27―5で下して、3年ぶり2度目の王座を手にした。川越東の前回優勝は第100回記念大会の2校代表制での優勝で、1校代表制では初の頂点となった。川越東は埼玉代表として、全国高校大会(12月27日~来年1月7日・花園ラグビー場)に出場する。
 川越東は、前半2分にFB南雲が独走で先制トライ。同10分にも南雲が追加点を挙げ、後半はセットプレーからロック松本が得点するなど手を緩めなかった。守備では接点で圧倒し昌平の反撃を抑えた。
 川越東の望月監督は「うれしい。花園に向けて最高の準備をしていきたい」と抱負を語った。

 

 自慢の展開ラグビーで4トライを挙げた川越東が、昌平の反撃を振り切った。
 川越東は前半2分に、相手のミスからマイボールとすると、大外のFB南雲にパスをつなぎ、独走の先制トライ。同10分にも南雲が追加点を挙げ、後半9分にロック松本、29分にはWTB石本が突破してトライを決め、点差を広げた。
 昌平は0―12の前半15分にモールから抜け出したWTB山口が1トライを奪ったが、相手の堅守を崩せず反撃はここまでだった。

 

堅守携え「最高」つかむ

川越東―昌平 前半10分、川越東のFB南雲(左下)が自身2本目のトライを決める

 

 新興勢力・川越東がその存在を確固たるものにした。県新人大会、関東大会県予選、7人制大会に続く県内4冠目を達成し、2度目の花園切符を勝ち取った。1校代表制では初の王座に就き、望月監督は「最高の仲間と、最高の舞台で最高の勝利をつかんでくれた」と選手たちを熱くたたえた。
 「最高のラグビーをしよう」と指揮官に送り出された川越東フィフティーンが期待に応えた。前半からスピード感あるラグビーを展開し、FB南雲が連続トライ。後半にはセットプレーで相手の裏をかき、ラインアウトからロック松本が横に飛び出して追加点を挙げるなど、多彩なアタックで相手の守備を崩した。
 風上に立った後半は「有利に進められる。入りの10分で試合を決めるくらい全力でいこう」とナンバー8高橋新。昌平のモールへの対策を徹底。常に万全な守備位置を意識したFW陣の組織的な動きで相手の攻撃の芽を摘んだ。
 昨年の決勝では接点で競り負け、昌平に1トライ1ゴール差で敗戦。「あれが原点。うまくいかないときは、チームであの日に立ち返った」と主将のプロップ寺山は言う。この1年間、FWで負けないラグビーを目指し、守備やブレークダウンを磨いた成果を存分に発揮した勝利だった。
 バックスによるアタック能力の高さに加え、新たな武器に堅守を携え、埼玉高校ラグビー界に名を刻んだ川越東。今季県内負けなしで挑む全国大会に向け、寺山は「自分たちはもっと上を目指さないといけない。自分たちの強みを謙虚にもう一回磨き上げたい」と、次は全国の舞台でその名をとどろかせる。

 

先輩信じサイドで躍動
FB南雲

 川越東の2年生FB南雲が勝利を手繰り寄せる2トライを決めた。「3年生を信頼しているので自分は信じて走るだけ」とCTB五十嵐ら先輩が中央をカバーし、得意のランで両サイドを駆け上がった。
 前半2分に主導権を握る先制トライ。左サイドの大外で構えると、自陣でボールを持ったSH高橋淳から素早くパスがつながる。「決勝のような堅い試合は最初の1点が重要」と、相手が固まったのを見逃さず欲しかった先制点を手にした。
 同10分には右サイドから追加点を奪った。CTB稲葉からボールを受けると、右に膨らみながら相手との1対1をかわす。「味方が引き付けてくれたから勝負できた」。鍛えた体の強さを発揮し、当たりに来た相手をものともしなかった。
 高校入学後、持ち味のスピードに体幹の強さが加わった。入学時60㌔前半だった体重は、食事管理とウエートトレーニングで74㌔に増加。「抜け出した後のタックルに耐えられるようになった」と成長を実感する。ラグビーの聖地でも武器のランでチームを勝利に導く。

 

悔しさ力に雪辱果たす
WTB石本

 川越東のWTB石本が1本のトライに昨年の悔しさをぶつけた。20―5の後半29分、「体の強さを生かす得意の形に持ち込めた」と相手ディフェンス3枚に絡まれながらも、倒されずにゴールラインまで運んだ。
 昨年は昌平に7―14で敗れた決勝の舞台。「この日のためにやってきた」と試合当日にも映像を見返すなど悔しさを力に変えた。雪辱を果たして獲得した花園出場に、「積極的に強気なプレーがしたい。笑顔で終われる大会にしたい」と胸を躍らせた。

 

流れ戻すも後半失速

前半3分、昌平のCTB中尾(左から3人目)が突破を阻まれる

 

 4連覇を目指した昌平だったが、王者としての余裕はなかった。船戸監督は「準備はしていたけど、うまくいっていなかった。勝たせてあげられなかったことが申し訳ない」と話した。
 前半2分の失点で出はなをくじかれた。中央でのミスからボールを失い素早く展開されると、右サイドを独走され先制トライを奪われた。主将の横山は「ディフェンスで我慢すれば絶対昌平の時間がくると信じていた」とロースコアの狙いにほころびが生じた。
 開始早々にリズムを崩されると、8分後にも左サイドを突破されトライを許した。一気に流れを持っていかれそうになったが、チームの強みから反撃に転じる。同15分にFW陣の力強いドライビングモールから押し切りWTB山口がトライを挙げた。
 指揮官が「まとまった時が強い」と評する1、2年生中心のチームは、ワンプレーで流れを引き戻した。一時は川越東の勢いを止めたが、風下に立たされた後半はキックが有効に使えず、ダブルタックルなどで攻め手を封じられた。
 終盤はディフェンスの足が止まり、前に出る自慢の守備力は影を潜めた。チーム内で数少ない3年生のプロップ岡本は「下級生に花園の景色を見せてあげられなかった。来年は自分たちの手でつかんでもらいたい」と後輩たちにエールを送った。

 

モールからT チームに勢い
WTB山口

 昌平のWTB山口が劣勢のチームに勢いを与えるトライを奪った。「自分たちの強みであるモールで取り切りたい思いが強かった。自分が取らなければという意識があった」とモールから一気に抜け出し右サイドに飛び込んだ。
 1年生だった昨季は花園でもプレーし、2回戦の京都成章戦でトライを決めた。「(今年は)全ての大会を川越東さんに取られてしまったので来年は全部奪い返し、大差で勝つ準備をしていきたい」と全国への切符奪還を誓った。

 

=埼玉新聞2023年11月19日付け1面、9面掲載=

 

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