経験背負い、次の舞台に
県ラグビー協会は1日、2023年8月に行われた第31回日・韓・中ジュニア交流競技会でU―17(17歳以下)日本代表に選ばれプレーした鷲宮高3年のロック小菅隼輝(17)を特別表彰した。「選ばれていなかったらラグビーを続けていなかった。代表の名前があったから頑張れた」と高校でのラグビー生活を振り返り、次の舞台に挑む。
特別表彰を受けた鷲宮高の小菅隼輝(左)と同校ラグビー部の駒井正憲監督=1日午後
身長194㌢。恵まれた体格に加え、50㍍走6秒6のスピードが目に留まり、2年時に代表に選出された。半年後の昨年1月には名門・帝京大から声がかかり、練習を見学。同大ラグビー部の相馬朋和監督から「大学で終わらせるのではなく、将来の日本代表になるために4年間を使ってほしい」と言葉をかけられた。
帝京大は今季、全国大学選手権で4大会連続13度目の優勝を果たした強豪。一方、小菅は高校で競技を始め、3年間の最高成績は県大会8強の選手。それでも「行くと決めたら逃げ道がなくなる。やるしかないと覚悟を決めた」と同大への進学を決意した。
昨年7月からは部活動の傍ら、週3回のスポーツジム通いを始めた。部活引退後の9月からは毎日通い詰め「背中が大事。代表でタックルが強い選手は背中が大きいなと思った」と集中的に強化。体重は4カ月で10㌔増の105㌔。ベンチプレスも20㌔増の125㌔を挙げる。
1月後半からは入学に向け減量に取り組む。タンパク質中心の食事を心がける小菅は、最近はまっているスクランブルエッグを自分で調理するなど、1日13個の卵を食べることもあるという。
「ラグビーを頭でも理解できるようになりたい」と、試合の動画などにかぶりつくようにもなった。新たなステージを目前に、意識も体も一回り成長し始めている。
小菅が「ラグビーの一から全部、自分が持っているもの全てを教わった」と敬う鷲宮高の駒井正憲監督(57)は「自分で(進路を)決めてきた。あとは送り出すだけ。すごく優しい子だから、埋もれず個性を生かせたらいい」。普段は褒めることはないと照れ笑いしながら、直接伝えることのない思いを明かした。
2年間で基盤をつくり大学3、4年時での公式戦出場を見据える。「身長は自分の武器。それを理解して体づくりも技術も人一倍、努力して頑張りたい」。一つのきっかけが変えたラグビー人生を、再び桜のジャージーに袖を通すためひたすらに突き進む。
=埼玉新聞2025年2月4日付け7面掲載=
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