2022年9月26日配信
春日部共栄高等学校の魅力を解説
学校選びに迷っている受験生の皆さんに、綿密な取材に基づいて確かな情報をお届けする”高校受験ナビ「学校レポート」”。
今回は、授業改革を積極的に進める春日部共栄高等学校を紹介します。
◆自主自律型へ、授業改革進行中
今年度(2022年度)から、「二期制」「45分授業」「完全5日制」などを取り入れました。同校は校訓に「自主自律」を掲げていますが、これらは自立型人間の育成を目指した改革です。
では、具体的に見ていきましょう。
▽二期制
3学期制から2学期制に変更しました。1年間を前期・後期の二つの学期に分ける方法です。大学などは、ほとんどがこの形となっています。
その狙いは、ずばり「授業時間の増加」です。
学期が一つ減ることにより、定期考査や始業式・終業式の回数、学期の始めと終わりの短縮授業などが減り、その分、授業時間を増やすことができます。
▽45分7限授業
授業時間を50分から45分に短縮しました。また、これに伴い1日の授業時間は7時間となりました。
50分×6時間=300分
45分×7時間=315分
このようになりますから、ここでも総授業時間を増やすことができます。
授業時間の終わりが15分ほど遅くなりますが、この程度であれば放課後の部活動にもそれほど大きな影響はないでしょう。
ちなみに「二期制」「45分7限授業」は都立の名門・日比谷高校などでも採用されている方式です。進学指導においてプラスなることはあっても、決してマイナスとはならないでしょう。
▽完全週5日制
これまでは隔週土曜日休み(月2回休み)でしたが、行事等の場合を除いて土曜日は完全休みとなりました。
これにより授業時数は減るわけですが、「二期制」「45分7限授業」などで新たなに生み出された授業時数が多いため、全体としては授業時数が減ることはなく、むしろ増えています。
「完全週5日制」の狙いは、土曜日の活用にあります。
土曜日には各種の講習・講座が年間を通して行われています。チューター付きの自習室も開放されています
部活動や休養にあてるのも一つの方法ですが、土曜日を自分の進路や目標に合わせて自由に設計し、活用することが期待されています。
なお、同校ではこれらの改革に先立ち2020年度から中間考査を廃止しています。定期考査は期末考査のみです。「目先のテストだけにとらわれることなく、中長期の目標や計画が立てられる生徒、また、それを実行できる生徒を育てる」(小南久芳校長)狙いです。
もちろん、単元ごとの振り返りテストや小テストなどはこれまで以上に行われていますが、成績評価に関わる試験がワンチャンスであり、しかも出題範囲が非常に広くなったので、生徒たちは今まで以上に授業に集中することや、計画的な学習が求められているようです。
◆国公立合格は100の大台に到達
今春(2022年3月)の国公立大学合格者(現浪のべ合格件数)が久しぶりに100人の大台に乗りました。
前年が90人(現役84人)であったため想定の範囲内とも言えますが、3ケタを達成している学校は県内でも10~15校程度であり、進学校の名に恥じない堂々の結果と言えるでしょう。
都心へのアクセスが良いという地域性もあって早慶上智をはじめとする私立志向も高い学校ですが、旧帝大など難関国公立と、早慶など難関私大の両面作戦の中で、どう実績を積み上げて行くかが引き続きのテーマとなりそうです。
来春以降、一連の授業改革が大学入試結果にどのように現れるかに注目が集まります。
◆水泳、吹奏楽など全国トップクラスの実績
春日部共栄は、単に部活動が盛んというだけでなく、見事な実績を残しています。
その代表格の一つが水泳部です。ロンドン・リオ両五輪のメダリスト・星奈津美さんをはじめ日本のトップスイマーを数多く生み出しています。今夏の四国インターハイでも男女で優勝者が誕生しましたが、その舞台は高校レベルにとどまりません。社会人・大学生に混じって全日本選手権でも大活躍しています。また、世界ジュニア大会(ハワイ)でも優勝者、入賞者が出ました。
野球部も同校の看板と言っていいでしょう。夏の甲子園5回、春の選抜3回出場の実績は県内トップレベルです。
陸上競技部も今夏インターハイ(女子走り高跳び)に出場しています。
男女のバレーボール部も常に全国を伺う位置にあります。
文化部では吹奏楽の活躍が目覚ましく、毎年のように全国大会に出場しています。9月に行われた全日本吹奏楽コンクール西関東大会では金賞に輝き、10大会連続17回目の全日本大会出場を決めました。
このように全国や世界を舞台に活躍し実績を残している部活が多い学校ですが、決して部活一辺倒ということはなく、学業との両立に強いこだわりを持っているのがこの学校の大きな特色と言えるでしょう。
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
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