11日開幕 142チーム激突
第106回全国高校野球選手権埼玉大会は11日、142チーム(157校)が参加して開幕する。5年ぶりの頂点を狙う花咲徳栄と、初の甲子園出場を目指す昌平がAシード。春季県大会4強の山村学園と春日部共栄がBシード、熊谷商、埼玉栄など同8強がCシード、上尾や昨夏覇者の浦和学院など同16強がDシードに収まった。目前に迫る大会に向けラストスパートをかける16校の戦力を、組み合わせ順に4回に分けて分析する。
Aシード
つながりに重点置く
芯を確実に捉える理想のバッティングを追求した「巧打」の秋春覇者が、夏の王座奪還に燃える。岩井監督は「求めているのは100点満点。ずっとアウトにならなければ点は入り続ける」と、打線のつながりに重点を置いてきた。
持ち前の打力に選球眼、走力と抜け目ない攻撃は、抜群の打撃センスが光る主将の生田目がけん引。快足の斎藤、目黒に出塁を許せば、生田目、石塚、田島の中軸が必ず好機をものにし、ビッグイニングを築くだろう。
投げては最速148㌔のエース上原、岡山、和久井の本格派右腕に加え、制球力が武器の左腕額川、今井が並ぶ。秋春の関東大会で大量失点を許し敗戦してからは失点0を意識してきた。体力面と精神力を強化した投手陣が、5年ぶりの栄冠獲得の鍵を握る。
最速148㌔の直球でチームを勝利に導く花咲徳栄のエース上原
Cシード
機動力で勝機を呼ぶ
春季県大会で昨夏の王者浦和学院を破って8強入り。同大会4試合で12犠打7盗塁と機動力をいかんなく発揮した。河野監督は「本番で力以上のものが出るチーム。例年以上に投手がそろい、ロースコアの試合を勝ち上がりたい」と力を込めた。
主戦は最速144㌔右腕の大竹。制球された変化球でカウントを整え、テンポのよい投球で試合を組み立てる。130㌔台後半の直球で勝負する右の本格派高野に、伊藤、河村の両変則右腕も控える。各投手の巧みな投球術で凡打の山を築く。
打撃陣は緻密なサインプレーで確実に1点を取りに行く。浦和学院戦では山本、小川の2者連続犠打で2点をもぎ取るなど、下位に小技が光る選手がそろう。小崎、長島、神杉の上位陣が出塁すれば、勝負強い4番芦沢の一発にも期待できる。
力強いスイングでチームの得点源となる西武台の4番芦沢
Dシード
ひたむきな全員野球
「ひたむきな全員野球」で春季大会を超える16強以上を目指す。春に課題となった試合の立ち上がりと、四死球からの失点を重点に強化した。中野監督は「守備からリズムをつくり、バッテリー中心に勢いを呼びたい」と理想の試合運びを話す。
大黒柱は投打で信頼が厚い斎藤。投げては緩急をつけたカーブ、スライダーなど多彩な変化球で打者との駆け引きを制していく。打ってもクリーンアップを務め、勝負強い打撃から長打も期待できる。
斎藤に続く投手は、ゲームをつくれる小泉が135㌔の直球と変化球の切れで勝負する。打線では中軸の杉間のミート力とパンチ力は魅力。勝負のポイントでつなげる1番尾崎の粘り強さなどを生かし、バント、エンドランなど小技も駆使して好機を広げる。
Dシード
精神的に強さを増す
春季大会で熊谷商に敗れ、勝利への執念と球際の大事さをその試合から学んだ。目標とするベスト8の景色を見るために自分たちのプレーを見直し、昨夏を経験した3年生を中心に精神的に強さを増した。
中村監督が「例年よりも攻撃力がある」と期待する打撃は、切れ目のないチームバッティングが売り。打線の核となる3番中野は、パワーと勝負強さを兼備。長打力のある吉川が4番に控える。1番坂本を筆頭に下位打線も走れる強みもある。
投手陣は伊藤、安藤、田口の3人が軸となる。伊藤は140㌔台の直球とスライダーのコンビネーションが光る右腕。左腕の安藤は強気な姿勢のパワーピッチャー。2年右腕の田口は切れと制球力を武器に安定感があり遊撃手もこなす。3投手の使い分けにも注目だ。
=埼玉新聞2024年7月6日付け7面掲載=
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