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高校野球埼玉大会 シード16校 戦力分析<4>

Aシード

昌平

状況判断の精度が鍵

 今季は秋春準優勝と近年、常に上位進出する実力派集団は、投打に盤石な戦力で悲願の甲子園出場を目指す。岩崎監督は「夏に必要な判断力を常に求めてきた」と状況判断の精度を重要視する。
 先行逃げ切りを理想とする攻撃は、ミート力抜群の5番渡辺と粘りの打撃で投手に球数を放らせる6番園田がポイント。打席でずば抜けた技術を発揮する2人が、打ってつないでチームに貢献する。長打力を備える大槻、山根、桜井らが上位に座り1~9番まで切れ目がない。
 多彩な投手陣は、直球とスライダーのコンビネーションで打ち取る左腕石井と最速140㌔超えの右腕佐藤を2本柱に、制球力の高い古賀、江原が台頭。春季関東大会の東海大菅生戦で146㌔をマークした右腕鈴木の投球にも期待がかかる。

 

安定したミート力で打線を支える昌平の渡辺

 

 

Cシード

熊谷商

エース軸に終盤勝負

 終盤に強い「執念の野球」を身上に、今夏の台風の目となりたい。新井監督は「とにかく前半に食らい付いて後半勝負。九回に何か起こす。そこにこだわってきた」と、競って競って厳しい戦いをものにする心構えだ。
 今春の39年ぶり県8強入りの立役者は、183㌢の長身エース中村謙。最速145㌔の力投派右腕はスタミナも十分で試合終盤まで球威が衰えない。負けん気の強い140㌔超え右腕の2年深水に、キレと変化球で勝負する左腕佐藤、大久保美が背番号1を支える。
 打撃はチーム1の俊足竹脇と2年春から3番を担い、強打で走者をかえす中村匠がけん引。中村優、竹内ら得点圏に強い打者が上位に並ぶだけに、大久保柊、脇坂、菅野ら下位打線がいかに出塁して上位に回せるかが勝敗の鍵を握りそうだ。

 

最速145㌔の直球で三振の山を築く熊谷商のエース中村謙

 

 

Dシード

上尾

経験武器 悔い晴らす

 40年ぶりの夏の甲子園を目指す古豪が、春の悔しさを晴らす。昨夏の出場者が5人残り、高野監督は「甲子園を追い求めてここまでやってきた。経験を武器に勝負強さを発揮して1試合ずつ全員で勝ち切りたい」と闘志を燃やしている。
 投手の柱はキレと制球力で勝負する左腕飯島。1年春からマウンドに上がる絶対的エースが最後の夏に挑む。130㌔台後半の直球を持つ右腕藤村と右の本格派幸、多彩な変化球を操る右の変則関口ら控え投手陣が背番号1を支える。
 打線は春季県大会17安打のうち、16安打が単打と低い打球を徹底してしぶとくつなぐ。勝負強い屋代、広角に打ち分ける藤村ら中軸の前にいかに走者をためられるかが鍵。野手陣の競争は激しく石田、前島、平山と好調な選手も出番を待つ。

 

Dシード

川越工

総力戦で「継」を体現

 ベスト16に進出した春季大会は、2年生を中心に臨み逆転勝ちやタイブレークなどの経験を積んだ。荒木監督は「初戦から難敵ばかりだが、ワンプレーや一球の重みは分かっていると思う」と選手たちの成長に信頼を置く。
 春季大会で安打を量産し、打線をけん引した3番橋口から始まるクリーンアップが打線の生命線。主将で4番の長島は長打と勝負強さが持ち味。捕手として守備面でも投手陣を支える。広角に打てる5番小島までに好機を広げたい。
 2年左腕の笛木が粘りの投球で試合をつくり、背番号1の右腕斉藤への継投がこれまでの勝利の方程式。夏に向け投手力の底上げが図られ、右のサイドスロー米塚や、左の松村など6人の投手を準備。総力戦でスローガンの「継」を体現する。

 

=埼玉新聞2024年7月9日付け9面掲載=

 

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