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高校野球埼玉大会 嵐呼ぶ勝負の夏<上>坂戸高校

今夏注目の3校紹介

 11日開幕の第106回全国高校野球選手権埼玉大会の注目校3校を紹介する連載「嵐呼ぶ勝負の夏」を開始。1回目は昨秋の県大会ベスト8の坂戸を取り上げる。

 

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 夏の嵐となれるか。第106回全国高校野球選手権埼玉大会が11日に開幕する。今季の埼玉は、秋春ともに花咲徳栄が王座に就き、2位には昌平が続いた。この牙城を崩さんと、今夏の台風の目となりそうな実力校の奮闘を追った。

 

笑顔で守備練習に励む坂戸の選手たち=6月13日、坂戸高校

 

 太陽が燦燦(さんさん)と降り注ぐ6月中旬、坂戸高のグラウンドは笑顔と活気に満ちていた。実戦形式の守備練習では挟殺プレーが完成する度に、選手たちが「よっしゃー」と両手を突き上げ大盛り上がり。夏への緊張を吹き飛ばすほど、熱い声が飛び交っていた。
 専用グラウンドがなく、練習場所は他の4部活と共用という環境の中、2021年夏の埼玉大会で初の16強入り。現チームは昨年の秋季県大会で33年ぶりに初戦を突破すると、勢いそのまま創部以来初のベスト8入りを果たした。3月の第96回選抜高校野球大会で21世紀枠の候補校に推薦されるなど飛躍を遂げている。
 16年から指揮を執る宮川浩之監督(60)=城西大川越高出=は「勝負事は粘り強く戦えば必ず好機が回ってくる」と、チームづくりの神髄を口にする。監督歴約35年において、公式戦で4度の延長引き分け再試合を含む、延長戦を26度経験。そのうち勝率9割のしぶとさを誇る。
 終盤を戦う体力を養うため、指揮官は体づくりを重視する。近隣のスポーツジムが閉店する際に器具を分けてもらうなど環境も少しずつ充実させた。4月の測定では遠投で100㍍を越えた選手が5人。10人以上が90㍍越えを記録するなど、鍛錬の成果が表れている。
 シード校として初めて迎えた春季県大会では春日部共栄に2―11の七回コールドで大敗。2―1の六回に守備の乱れから一気に崩され、主将の阿部晴偉は「一瞬の流れを引き寄せる力が足りなかった。あんな試合はもう絶対したくない」と心に誓う。
 勝負どころを制する精神力を磨くため、練習では真剣な中に笑顔を絶やさない。ここぞで笑って、いつも通りのプレーができるよう、3年生中心に生まれる雰囲気の良さが最大の武器だ。「一生懸命やっている子たちに新しい景色を見せたい」と指揮官。初の甲子園を見据え、粘り強く、しぶとく、最後まで。坂戸の野球を貫き勝利を手繰り寄せる。

 

=埼玉新聞2024年7月3日付け6面掲載=

 

サイト内の坂戸高校の基本情報は→こちら

 

学校の特徴~学校からのメッセージ2024~

本校は、県内で唯一の45分授業を実施し、1日7時間、週34単位で授業を展開しています。また、「自学の文化」「学校行事の文化」「部活動の文化」の3つの学校文化を通じて、「生徒の自立力」の育成と「基礎・基本」の徹底を行い、確かな学力を養成しています。

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