◆地域や数年の傾向に注目を
まず、人口増加地域の学校には注意が必要です。
例えば東京都に接する埼玉県の地域の高校は人気が高まっています。前回コラムの表には現れませんでしたが、南稜高校や鳩ヶ谷高校のように県南部の高校の倍率は、高く推移しています。
そしてさらに気をつけてほしいこととして、倍率の隔年現象というものがあります。
中には常に倍率が高い学校もあるのですが、ある学校は、今年は倍率が高かったから、ちょっと難しいかなと翌年は敬遠されて少し下がる。その翌年は、倍率が低かったからチャンスかなと思って、人気を集めて倍率が高くなるという隔年現象が起こることがあるのです。
前回コラムで、学校選択問題を採用していても表には入っていなかった高校は、もしかすると次年度は隔年現象が起きるかもしれません。逆に、表に入っている学校は隔年現象が起こって、来年は狙い目の学校かもしれません。
◆第2志望を認める学校は他学科の動向も注意
第2志望を認める学校の場合、発表される倍率と違う倍率になっていることがあります。
例えば、大宮高校の例です。
大宮高校は普通科と理数科があって、第2志望を認めています。理数科第1志望で、普通科第2志望という出願ができるのです。
実際に見てみると、今年の理数科の定員は40人で志望者は89人の2.23倍、普通科の定員は318人で志願者は459人の1.44倍と発表されました。
しかし、理数科を不合格になった49人が全員普通科を第2志望にしたとすると、実際は普通科を受験した生徒は508人だったと考えることもできるのです。
理数科を第1志望にしていた生徒が、全員普通科を第2志望にするとは限りませんが、そうだったとすると1.59倍だったとも言えます。
続いてのケースは松山高校です。
普通科が定員278人で、受験者278人でした。倍率1.00倍、そして合格者も278人。これだったら不合格者は出ない。全員合格じゃないかと思ってしまう人もいると思います。
しかし、松山高校には、理数科があります。
理数科は、定員40人で受験者66人の1.65倍でした。合格者は40人ですので、不合格者が出ます。この不合格者が全員普通科を第2志望とすると、普通科は1.09倍であったという見方ができるのです。
一例ですが、以上のようなことが発生する可能性がある学校は次の通りです。
こういった学校が、第2志望を認めています。 皆さんの志望する学校はどうか確認する必要があるかもしれませんね。
=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=
☆次回は、4月14日に
コラム「埼玉県公立高校の合格者の決まり方」を配信します。
【関連コラム】
<2022年高校入試報告会編>Vol.1_今年度(令和4年度)埼玉県公立高校入試の振り返り
<2022年高校入試報告会編>Vol.2_倍率でみる近年の人気校の傾向
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