合格者を決める資料や結果は?
選抜方法を解説
県公立高校合格はどのような資料や結果を使って、合格者を決めているのかを知っておきましょう。
例として埼玉県教育委員会から発表されている「令和4年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準」内の川口市立高校普通科の資料をもとに説明します。
下記の図はその資料を使用し、まとめた表です。
一番左の列のピンクの文字には学力検査、調査書、その他の資料と書いてあります。学力検査というのは皆さんご存知の当日の入試、5教科のテストです。そして、調査書というのは、ひとまず通知表の合計と考えましょう。
ここで皆さんに考えてほしいのは、学力検査と調査書です。県公立高校は基本的に1回の入試で1次選抜という成績の並べ方と、2次選抜という成績の並べ方の2回の選抜を行います。このどちらかで合格で決まります。
川口市立高校の場合、1次選抜では、調査書を1.24倍し、学力検査の点数を足した合計点をトップから並べ60%の合格者を出します。
ご覧いただければ分かると思うのですが、この一次選抜でも学力検査が全体の60%、調査書が40%なので、学力検査当日のテスト重視ということが言えるわけです。この1次選抜で合格にならなかった人の成績を、2次選抜でもう1度並びかえします。
ここでは残りの受験者の調査書を0.8倍し、40%の合格者を出します。そうすると、今度は学力検査の比率が70%、調査書がさらに比率が下がって30%になります。
調査書がどれぐらい合否に影響するか気になるかと思います。
例えば、調査書つまり3年間の通知表の平均が1教科あたり3.5だった人と、4だった人では、どれぐらい差がつくかを見てみましょう。
1次選抜で考えた場合、最終的には平均3.5の生徒と平均4.0の得点差は、約25点です。
25点というのは、5教科のテストですから、1教科に表すと5点分の差です。これを大きいと見るか小さいと見るか考えてみましょう。
調査書が平均3.5でよくないから、第1志望を諦めた方がいいのかなと思う人、ちょっと待ってくださいね。その人は 得点差25点ですから、1教科当たり5点、つまり1問か2問ぐらい平均4の人よりも多く正解すれば追い付けます。合格の可能性があるので、まだまだ諦めてはいけないということです。
逆に、平均4の人は調査書の点数がいいからと油断していいでしょうか?差は25点しかありませんので、追いつかれる可能性があります。入試の直前までしっかり勉強して実力をつけなければいけません。
このことから言えることは、どちらも大事ということです。
これから勉強する上で、定期テストもしっかり好成績を出し、可能な限り良い調査書を取った方がいいし、それで終わりにせずに、学力検査(入試)に向けて実力もつけなければいけない。
しっかり勉強して最後まで第1志望を諦めずに勉強するということが大事だということを押さえておきたいです。
=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=
☆次回は、4月21日に
コラム「学校選択と学力検査の違いは?」を配信します。
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