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<2022年高校入試報告会編>Vol.7_令和4年度・国語&社会&理科の問題を分析

 今回のテーマは、令和4年度入試で出題された問題を見ていく第2弾です。前回は「学校選択問題」・「学力検査問題」の2種類に分かれる数学と英語を取り上げました。今回は「学力検査問題」のみの国語・社会・理科の問題を見ていきます。全ての公立高校入試受験者が解いた問題であるということです。

 

令和4年度入試の問題は

こちら(リンク先は埼玉県教育委員会HPです)

 

 

◆国語
 まずは国語の特徴的な問題を紹介します。

 

 

 これは記述問題の解答を記入するマス目です。埼玉県の入試では、50字程度の記述問題が2問以上出題されます。
 そうなると、記述問題をスピーディーに解かなければなりません。長い文章を読み、内容や要点を読み取って、問われていることの答えとなる部分をまとめ、表現する力が必要になります。

 

 続いて紹介するのは、毎年出題される作文の問題です。

 

 近年では、グラフなどの資料を読み取り課題について自分の考えを述べる出題が続いています。ここで注目してほしいのが、国語の入試問題全体の記述しなければならない字数です。課題作文の字数制限は、おおむね108字程度です。先ほど紹介した50字程度の記述2問と合わせると210字程度の記述問題があり、その他、知識問題や記号・書き抜きの問題もたくさんあって、50分で解き終わらなければならないということになります。時間内に解くには正確さとスピードが問われるのが国語、ということが言えます。

 

◆社会
 続いて社会の問題を見ていきましょう。
 社会は一般的にただ覚えていればいいと考えてしまいがちです。
 もちろん覚えていなければいけませんが、それだけでは解けない問題も必ず出題されます。

 

 これはNさんと先生の対話文の空欄を埋める問題です。酪農について北海道を除く上位5県の特徴は何ですかという話をしています。      

 地図に記された地域を比較して導き出される特徴を、頭の中で整理した上で、空欄に埋まる言葉を考えなければいけません。
 つまり、ある程度の知識はなければいけませんが、それに加え情報を読み取る能力も必要だというタイプの問題です。

 

 次は、中学3年生で勉強する公民の問題です。

 

 公民の授業を受けて普通に勉強しても、図1のような表は見ないまま入試を迎える方が大半かと思います。さまざまな選挙区の特徴を座標軸で表したらどうなるかという図です。
 これも、覚えたことの理屈まで理解し、それを一つずつ当てはめていけば容易に解けます。ただ用語を覚えるだけではなく、その中身や仕組みまで分かっていて初めて解ける問題も出るぞということですね。

 

 続いて年号の年代順に並べ替える問題です。

 

 並べ替え問題は、用語を並べ替えることが多いです。しかし、この問題は各年代のできごとの内容について説明した文章を読んで並べ替えます。用語であれば年代とあわせて丸暗記ができますが、この問題は、できごとの内容から何を示したものかを理解した上で、年代と結び付けなければ並べ替えることはできませんでした。その部分では少し難しかったかもしれません。
 

 

◆理科
 最後に理科です。
 理科も、一見、丸暗記すれば何とかなると思ってしまう教科です。もちろん、そういう問題もある程度出題されますが、次のような問題も出題されました。

 

 この問題は、太陰暦の閏年(うるうどし)を問う問題です。
 この問題自体を何かの問題集で解いたことがあるという方はほとんどいなかったのではないでしょうか。
 ここに書いてある説明を読むと、月の満ち欠けは29.53日で、その周期12回分は地球の公転周期と一致しない、と書いてあります。このことを読み取れれば、いわゆる算数の計算問題を解くような形で答えを出すことができると分かります。このような未知の内容の説明を読み取って理解する問題にも、触れておく必要があるかなと思います。

 

 この問題も特徴的な問題でしたね。知識で解こうとすると、実は高校生レベルの問題です。ただし、中学生でも、先ほどと同じように説明をしっかり読んで、その場で理解すれば解ける問題です。
 ただ、この問題は、説明を読むと理解できるだけでなく、海水温の上昇という時事的な問題になっているところも特徴でした。

 

 続いての問題は、中学3年生で学習する「三平方の定理」という数学の知識を使って解くものです。

 

 この問題は、自分で補助線を引いて直角三角形を見つけ、三平方の定理を使って解きます。非常に難しかったと思います。
 このように、理科では、数学の知識を使って解くような問題も出題されることがあるということを知っておきましょう。

=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=

 

☆次回は、5月19日に
コラム「今から始める受験勉強とは?」を配信します。

<2022年高校入試報告編>は次回が最終回となります。

 

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