今回のテーマは学校選択問題と学力検査問題の違いと特徴についてです。
埼玉県の公立高校入試は、学力検査問題と学校選択問題の2種類があります。
学力検査問題は、英数国理社5教科すべてにあって、基礎学力をより重視した問題構成になっています。
それに対して学校選択問題は、英語、数学のみであり、より発展的な学力を重視する難易度の高い問題構成になっています。国理社は学力検査問題と共通です。
◆ぞれぞれの問題を採用する学校
2022年度入試で学校選択問題を採用した学校を見てみましょう。
いわゆる県立御三家の浦和・大宮・浦和一女や旧学区のトップ校といわれる学校、そして地域の上位校のだいたい半分ぐらいが学校選択問題、つまり難しい問題を採用していると言えます。
学力検査問題、5教科とも基礎的な問題を実施する学校は、先ほどの学校選択問題の実施校以外の全てです。
その一部を抜粋したのですが、難易度が高いと思われる順に並べました。
上から3段目ぐらいまでの学校は、先ほどお伝えした通り、基礎的な問題でも高得点が求められるので注意が必要です。
そして4段目以降の学校まで見てみると、中堅上位校の中でも人気の高い学校も入っていることが分かります。
◆平均点から見る特徴
ここで全県平均の資料を見ながら、問題の違いについて触れていきたいと思います。2022年度の平均はまだ発表されていませんので、昨年度までの平均値を並べてみました。
赤の文字を見てください。2019年度の英語の学力検査問題と学校選択問題の平均点が掲載されています。
難しいはずの学校選択問題の方が、平均点が高いことが分かります。しかし学校選択問題を受けるのは、概ね全県の上位1万人の受験者です。その中で64.3点ですから、難しい問題でも、平均点は高かったということです。このことから、学校選択問題の英語に関しては、難しいけれども、高得点を取れるように勉強していかなければならないということが言えます。
それに対して、学力検査問題の英語は比較的基礎的な問題のはずですが、平均点が低くなっています。つまり、差がつくということです。差をつけるために、やはりしっかり勉強していく必要があります。
今度はピンクの文字を見てください。ピンクは2020年度の数学の学力検査問題と学校選択問題の平均点です。先ほどの英語と逆転の現象が起きています。学力検査問題の平均点が高く、学校選択問題は低くなっています。
普通のことのように見えますが、学校選択問題の数学は、なかなか難しいハードな問題なので、しっかり点数を取れるようにすると、相当有利に働く、差がつくと言えます。
それに対して学力検査問題の数学は、多くの方が比較的高得点を取る可能性が高い。つまり、取りこぼしが効かないので、しっかり点数が取れるように勉強しなければいけないという見方ができます。
=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=
☆次回は、5月6日に
コラム「令和4年度・数学と英語の問題を分析」を配信します。
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