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JFA名誉会長・田嶋さん母校で講演ー浦和南高校

 さいたま市立浦和南高校(相坂賢将校長、生徒数942人)で19日、同校OBで日本サッカー協会(JFA)名誉会長の田嶋幸三さんが「夢があるから強くなる~浦和南から世界へ~」と題して講演した。全校生徒や保護者、サッカー部OB会など約千人が夢を実現した大先輩の話に耳を傾けた。

 

「夢があるから強くなれる。僕らの目標はW杯優勝」と話す田嶋さん=さいたま市南区の市立浦和南高校体育館

 

 田嶋さんは熊本県生まれ、東京都世田谷区育ち。人気漫画のモデルにもなった同校サッカー部の活躍、当時の松本暁司監督に憧れて越境入学した。3年生の時には全国高校選手権で優勝。筑波大学に進学し、日本代表、実業団選手として活躍した。同大などでコーチを歴任し、U―15(15歳以下)の代表監督を経て2015年国際サッカー連盟(FIFA)理事、16年JFA会長、東アジアサッカー連盟会長に就任した。24年さいたま市文化賞を受賞。
 田嶋さんは学生時代の日本サッカーに触れ、「その頃の日本代表はワールドカップ(W杯)に出られるレベルではなかった。アジアでも二流で、シンガポールやマレーシアにこてんぱんにやられていた」と話した。そして「自分が代表選手としてW杯に出ることは難しいと分かっていたので、なんとか次の人に出てもらいたいと思った」。自身の過去を振り返り「夢はどんどん変わっていい。必ずしもかなうわけではない。自分で決められないこともある。その時の最善を尽くせばいい」と、サッカーだけではなく、全てに通じる人生のヒントを高校生たちに示唆した。
 監督をするか会長になるか迷ったことも。「良い監督は自分以外にもいる」と日本サッカーを統括する唯一の組織を率いる決意をした。「世界を目指し、世界で戦うために何が必要なのか、ピッチの上だけでは解決しない」。さまざまな課題の克服、選手の強化など具体的な取り組みについて、日本代表の試合映像などを交えて説明。「代表を強くすることで人々に勇気と希望と感動を」というJFAの理念を紹介し、健康と平和の大切さを強調した。最後に「歴史をリスペクトして未来に責任を持ちたい。サッカーを通じて幸せな世界をつくっていきたい」と力強く話した。
 生徒会長で2年生の伊藤真弓さん(17)は「目標に向かって物事に取り組むことが大切で、その過程が自分の力になると教えてもらえた。自分が今できる最善を尽くそうと思う。私の今の目標は一人一人が主役になれる学校をつくること」と感銘を受けた様子で前向きに語った。

 

=埼玉新聞2024年12月26日付け8面掲載=

 

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学校の特徴~学校からのメッセージ2024~

「文武自考一解のない課題に立ち向かう」。これが浦和南高校の目標です。進学重視型単位制(55分授業、月1回の土曜授業)のもと、進路選択に応じた多くの講座を設置し、学びの実現を図ります。さらに県内公立高校初の人工芝グラウンド、体育館の空調完備によりスポーツや部活動も盛んです。行事ではオーストラリアへの海外研修旅行をはじめ、体育祭や文化祭で充実した学校生活を送ることができるのも特徴です。

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