さいたま市立与野本町小学校の植野さゆり教諭は、デジタル端末を使った実践を報告した=19日、さいたま市浦和区の埼玉大学教育学部教育実践総合センター
学校教育への新聞活用を進めている県NIE(教育に新聞を)推進協議会(会長・戸部秀之埼玉大学教育学部長)の実践発表会が19日、さいたま市浦和区の埼玉大学教育学部付属教育実践総合センターで開かれた。実践指定校の小中高校9校は、新聞を教材化することで児童・生徒が思考を巡らせ、語彙(ごい)力も付いたと報告した。
各校は提供された日刊紙8紙を使い、2年間実践。鴻巣市立鴻巣南小学校の野本理恵教諭は「6年生でネットと新聞を比較して読んだりしたが、語彙力が飛躍的にアップした」と発表した。埼玉大学教育学部付属中の石高吉記教諭は「社会や国語だけでなく美術など教科横断的に取り組んだ。今後も新聞を読む楽しさを味わわせたい」と話した。県立八潮高校の和田恭平教諭は「定期考査で新聞の見出しを付ける試験を出したり、新聞記事をもとに哲学対話を実施した。生徒らはいつも以上に思考を巡らせていた」と報告した。
同日はほかに、行田市立太田小、熊谷市立江南南小、さいたま市立与野本町小、同市立与野南中、鴻巣市立鴻巣中、同市立鴻巣北中が発表。県教育局やさいたま市教委、日本新聞協会、1年目の実践指定校、NIEアドバイザー、各新聞社の代表者らが参加した。あいさつに立ったさいたま市の竹居秀子教育長は「教育は子どもたちに正しい情報を見極める力を育てる責任がある。新聞は確かな事実と多様な評論により、自分の考えを形成し、表現する力を養う」と語った。
【25年度実践校を募集】
活用法学び記者派遣
教育での新聞活用を進める県NIE推進協議会(会長・戸部秀之埼玉大学教育学部長)は2025年度の実践指定校を募集している。
指定を受けると、①日刊紙8紙(朝日、埼玉、産経、東京、日経、日刊工業、毎日、読売)を毎日1部ずつ、4カ月無償で購読できる②記者(講師)派遣、新聞社見学などで優遇③実践交流、研修の機会提供―などの特典がある。期間は2年間。実践は説明会を経て6月からの予定。
募集は、小・中学校、特別支援学校を含む高校から計10校。公私立は問わない。「NIE実践指定校希望」とし、学校名、校長名、担当者名を明記し、事務局までEメール(nie@saitama-np.co.jp)で申し込む。3月21日締め切り(第1期)。協議会で指定校を選定し、4月末までに個別に通知する。
問い合わせは、事務局(埼玉新聞社編集局☎048・795・9161、小谷野、吉田)へ。
=埼玉新聞2025年2月20日付け14面掲載=
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