共同開発したSエール弁当を販売する春日部工業高校の生徒ら=宮代町の東武ストア東武動物公園前店
東武鉄道の大樹など蒸気機関車(SL)を知ってもらおうと、県立春日部工業高校の生徒たちが『Sエール春工肉祭りBC(BeefChicken)弁当』を東武ストアと共同開発した。県内23店舗で10日間の販売を行い、約5千食が売れた。
同校は、同鉄道の協力を得て、13年前から機械科の課題研究の一環で鉄道模型を制作。地域の子どもたちを乗せるなどの催しを行ってきた。本年度からはSLの制作に取り組んでいる。
実施したアンケート結果から、SLを知る若者たちが少ないことが分かり「駅弁を通して知ってもらおう」と、プロジェクトを開始。家庭部が商品のコンセプト企画を担当、街中で「どんな弁当が食べたいか」などを調査した。 片手で食べることができるおにぎりやサンドイッチの希望が多かったことから、授業で10種の弁当を試作。試食会と投票の後、同ストアに商品化を持ちかけ、共同開発が決定した。弁当箱に貼るシールやポスターのデザインなどにも生徒たちのアイデアが生かされたという。
宮代町の同ストア東武動物公園駅前店で生徒らが実施したPR販売では、開始から30分ほどで用意した150食が完売した。同校3年の増田悠花さんは、「話を聞いた時は不安だった。ターゲットにする年代を決めるところから苦戦した」。同じく3年の永井なつさんは「栄養バランスを考えながら、どうすればSLの魅力が伝わるかも考えた。すごく良い経験になった」。2年の伊藤凜乃さんは「アンケートが大変だった。ここまでできたのはすごい」と声を弾ませた。
指導を行った後藤悦子教諭は「商品化に当たっては、価格設定や食材選定に苦労した。生徒が売りたいものと消費者が買いたいものは違う。今後は、売り上げデータの分析も課題研究としたい」。
同ストアの浦野浩治郎常務は、「学校から話を頂いたときは、ありがたいと思った。東京でも販売を検討したい」と話していた。
=埼玉新聞2024年11月20日付け11面掲載=
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