重量挙げを始めたのは高校生から 努力と向上心で手にした銅メダル
東京五輪第5日の27日、重量挙げ女子59㌔級で埼玉栄高、平成国際大(加須市)出の安藤美希子(28)=FAコンサルティング=が銅メダルを取った。今大会県ゆかりの選手のメダル獲得は初めて。
安藤が重量挙げを始めたのは埼玉栄高入学後からだ。
それまでは機械体操や陸上に打ち込んでいた。体育教員になりたくて進学した同校では、入学時に身体能力の高さを買われて、フェンシング、ハンドボール、ウエートリフティング部が〝争奪戦〟を繰り広げたほど。当時から強靭(きょうじん)な下半身には定評があり、重量挙げの体験入部では、スクワットとデッドリフトで80㌔を挙げ、周囲を驚かせた。素直で明るく、練習熱心さは折り紙つきだった。
同校で安藤を指導していた吉野岳さん=現川越初雁高=は3月の全国高校選抜大会に出るため、修学旅行には行かず、一心不乱に練習に励んでいた安藤の姿が印象に残っているという。「強くなりたい気持ちは人一番強かった」。安藤は重量挙げを始めた時、「五輪という舞台に近づけるとも、立てるとも思っていなかった」という。
2017年には元日本代表コーチの金度希さんを慕い、韓国へ練習拠点を移して自らを磨いた。たゆまぬ努力と尽きることのない向上心で、手にした銅メダルだった。
=埼玉新聞2021年7月28日付け1面掲載=
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