目指せ父超え「夏の日本一」
就任5年目の春、花開く
3月下旬に大分県で開催された全国高校ハンドボール選抜大会男子で浦和学院が11年ぶり3度目の栄冠に輝いた。率いたのが、就任5年目の岩本岳監督(31)=さいたま市桜区出身。父は前監督の岩本明総監督(64)で選抜大会を2度制覇に導いた名将だ。選抜大会で、父子が共に監督として優勝するのは初だという。偉大な背中を追いかける若き指揮官が目指すのは、父もあと一歩届かなった「夏の日本一」だ。

新たな目標へ決意を新たにする浦和学院高校ハンドボール部の岩本岳監督(左)と父の岩本明総監督=さいたま市緑区の浦和学院高校
岩本明総監督は、浦和学院を全国屈指の強豪校に育てあげた。監督として、全国選抜大会で過去2回優勝(1992、2015年)。夏の全国高校総体(インターハイ)には32回出場し、優勝こそないものの準優勝2回、3位4回を誇る。岳監督にとって同校ハンドボール部が身近にあったが、違う進路を選択した。さいたま市立土合中学から早稲田実業高校、早稲田大学へと進み、いずれもハンドボール部の主将を務めた。
教員を目指して学んでいた早稲田大大学院2年次に父から「うちに来るか?」と誘われ、「ありがたい気持ちだった」。24歳の時に浦和学院高に赴任し、ハンドボール部のコーチに。30年連続の全国高校総体出場を区切りに、21年秋に父から監督を引き継いだ。
約2年半のコーチ生活の中で父から学んだのは、勝負どころを見極める目と勝ちにこだわる姿勢。これに加えて、岳監督が指導のベースにしているのが「自分たちがコントロールできる部分に執着すること」。戦術の約束事、あいさつなどプレー以外の面も含めた凡事徹底を貫くことを選手たちには言い続けてきた。
重きを置いたのは守備。父の代名詞「堅守速攻」を土台に速さの追求はもちろん、特に守りの部分で当たり負けしない体づくりに励み、粘り強さと泥くささを磨いた。3月の選抜大会で花開く。順当に勝ち進み、2年連続の決勝の舞台では守備から流れを引き戻し37―35で激戦を制した。
就任後初の日本一に、30年連続で高校総体に導いた父の偉大さが身に染み、より大きなプレッシャーを感じていたことを明かし、「少しほっとしました」と胸をなで下ろした。総監督として一緒に指導している明さんは「僕が積み上げてきた部分を土台に、時代に合ったハンドボールで、あと一歩届かなかった夢のインターハイ優勝を成し遂げてほしい」とエールを送る。
岳監督に今後の目標について尋ねると、高校生の豊かな才能を伸ばし、土井レミイ杏利、玉川裕康、高野颯太の3選手に続く五輪選手の育成とともに、「インターハイ優勝に浪漫(ろまん)を感じて浦学に来たので」とニヤリと笑った。父に追い付き、超えるその日まで歩みを止めるつもりはない。
=埼玉新聞2026年4月30日付け8面掲載=
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浦和学院高等学校は、3つの類型と11のコースで構成されており、生徒はそれぞれのカリキュラムに沿って日々学業に励んでいます。生徒数が多く、白翔祭では全校生徒が一体となり、大いに盛り上がります。部活動も盛んで、アメリカンフットボール部、弓道部、ゴルフ部、ダンス部、軽音楽部、吹奏楽部、ソングリーダー部など、多彩なクラブが活動しています。また、男子ハンドボール部、野球部、サッカー部、テニス部は、インターハイや甲子園での全国優勝を目指して日々練習に励んでいます。「文武両道」は浦和学院の伝統であり、校風の根幹をなすものです。
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