日高市の高麗川で8月23日、伝統の地引網漁が行われた。荒川流域ネット(鈴木勝行代表)が主催し、毎年夏に高麗川、嵐山町の都幾川、鳩山町の越辺川など3カ所で実施している。今年は高麗川を舞台に、8月と9月の2回開催となった。参加した子どもたちは魚釣りなどを通じて自然環境の大切さを学んだ。

「カジカたちがずっと生きて行けるように、この川をずっと見守っていこう」と子どもたちに話す金沢光さん(左)=8月23日、日高市の高麗川
■あふれる笑顔
市内外から親子28人と流域ネットのスタッフ29人の計57人が参加。県魚類研究会代表の金沢光さん(73)が指導した。
いつもは川幅に合わせて約30㍍の地引網を下流から約300㍍上流に引き上げるが、この日は水量が多かったため、大人たちだけで約150㍍引き上げた。最後の浅瀬で子どもたちも川に入り、魚を追った。ライフジャケットを着用した子どもたちは、浅瀬で1㍍ほどのさおを使い、ピストン釣りにも挑戦した。
小魚を続けて4尾も釣ったのは川越市立西小学校4年の宮原大翔さん(10)。「うれしい。目がまんまるだね。怒っているのかな」と魚に興味津々。妹で同小1年の穂華さん(6)も3尾釣りあげて「魚の目に血がついてる。かわいそう。でも楽しい」と笑顔を見せた。
嵐山町の菅谷小学校5年の高橋拓十さん(10)は「小さいのが釣れた。少し感動した」。狭山市の奥富小学校3年の綿貫リオさん(9)は「釣れた。フリフリしててかわいい」と楽しそうに話した。
■ボランティア
高校生や大学生のボランティアも今回の活動を支えた。
県立熊谷農業高校2年の山田慎汰さん(16)と県立妻沼高校2年の井上諒一さん(16)は、熊谷市内で金沢さんが続けるムサシトミヨの保護活動に参加した仲間同士。同ネットの常連だ。「就職か進学か、が悩み」と井上さん。山田さんは「この川が好きです」と話していた。
城西大学の真野博教授(59)も同大前の高麗川のごみ拾いボランティア「カワガール」の学生6人と参加した。大学院生の富樫柊生哉(しゅうや)さん(22)は山形県鶴岡市の出身だが「この高麗川の自然も貴重。守っていきたい」と思いをはせた。真野さんは「今日は戸田市の県立南稜高校の生徒が偶然、川の生き物調査に来て、きれいな川にびっくりしていた。また来てほしいね」と期待した。
■清流の王者たち
捕れた魚について、岸辺で金沢さんが解説した。カジカ、オイカワ、ジュズカケハゼ、ヒガシシマドジョウ、スジエビなど在来種5種と、外来種はコクチバスとカワリヌマエビ。金沢さんは最後に子どもたちへ「カジカなど清流の魚たちが、ずっとこの川に住めるように、みんなで見守っていこう」と呼びかけた。

浅瀬で釣りをする子どもたち
=埼玉新聞2026年9月6日付け11面掲載=
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