地元高校生と連携し啓発 敬老の日に川口署
高校生のマスク作製風景を紹介するパネルの前で、買い物客らに特殊詐欺被害防止を呼び掛ける警察官=20日午前11時ごろ、川口市本町のミエルかわぐち
多発している特殊詐欺被害の防止を呼び掛けようと、川口署は敬老の日の20日、同市本町の商業施設「ミエルかわぐち」の利用客らに地元の高校生が作製したマスクとメッセージカードを配布した。
マスクを手作りしたのは川口市立高の家庭科部9人と川口工業高の生徒会4人。それぞれの高校で100枚ずつ作り、「詐欺に警戒してください!」などと心を込めたメッセージカードを添えた。今回、高校生はコロナ禍で活動制限されているため、市民らと直接触れ合えなかったが、同署の警察官が、マスクの作製風景や特殊詐欺の手口を紹介したパネルの前で、声を掛けながら1セットずつ手渡した。
川口市立高と川口工業高の生徒が作ったマスクとメッセージカード
川口市立高の学食で働く関根節子さん(74)は「うれしい。学校で自慢したい。改めて、詐欺の電話などには気を付けようと思った」と笑顔でマスクを手にしていた。
今回の啓発活動で高校生にマスクの作り方を指導したのが、同署生活安全課の山下絢子巡査だ。3人の子を持つ母親で産休、育休中に子どもたちのマスクを縫っていた経験を基に、ミシンの使い方から説明した。マスクの使いやすさや通気性を重視する生地を選んだという山下巡査は「高校生はのみ込みが早い。一緒に配りたかったが、高校生の分も気持ちを込めて配った。コロナとともに、詐欺被害も防げたら」と拳を握った。
川口署管内では1~7月まで0件(暫定値)だった還付金詐欺被害認知件数が、8月だけで10件(同)と急増している。同署の山口東生活安全課長は「被害者は高齢者なので、お孫さん世代に当たる高校生の思いが届いてほしい」と切に願った。
=埼玉新聞2021年9月21日付け15面掲載=
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