勝敗分けた激しい守備
駒大苫小牧を退け準々決勝へ
苦しい場面で自分たちのスタイルを貫いた男子の正智深谷が駒大苫小牧を退け、2年連続でメインコート(準々決勝)進出を決めた。
序盤はシュートが入らず3―10と先行されたものの、何とか食らい付いて前半を36―33で折り返した。一進一退の流れが傾いたのは、38―40で迎えた第3クオーター残り7分のタイムアウト明け。時間をかけて試合を進めていた相手に対してペースを上げ、素早く攻守が切り替わる展開で伝統の激しい守備がリードをつくり上げた。
成田監督も「走りだしたところで10点開いて、そこから点差をキープできた。スタイルを貫き通すことができた」と勝因を挙げた。
205㌢の長身セネガル人留学生・ティオウネにもしっかり対応。2人掛かりでリング方向を向かせない守備を徹底し、筑井は「ターンされると2点になってしまう。早めに2人でつぶして、残り3人でパスを狙った」と胸を張った。
準々決勝で激突する福岡大大濠は、3回戦で高校総体王者・中部大第一を撃破。選抜、総体合わせて6度の全国優勝を誇る強敵に対し、主将の関河は「自分たちの目標は表彰台。勝って表彰台に上りたい」と意気込む。
受け継がれてきた伝統をコートで体現し、虎視眈々(たんたん)と新たな歴史の扉を開こうとしている。
広い視野で 突破口開く
控えの筑井
控えの3年生筑井が、正智深谷を2年連続の準々決勝に導いた。「相手がゾーンだったので、足を使って縦に切っていくことを意識した」と広い視野で突破口を開き、3点シュートでも貢献。先発の大友、田中より長い30分を超えるプレータイムを記録した。
勝敗を分けた第3クオーターに9得点を挙げるなど、関河、ルーニーに次ぐ19得点をマーク。留学生の対応にも奮闘し、「スリーポイントは持ち味。チームにとっていいプレーができた」と充実感をにじませた。
周囲生かし 能力も証明
エースのルーニー
2年生エースとして攻守で奮闘した正智深谷のルーニーは、思い通りにシュートが入らなかった序盤も我慢強くプレー。「フリーの人がいたら、気持ちいいパスを出そうと意識していた」と周囲を生かし、ここぞという場面ではきっちり決めて計21得点を挙げた。
美しい空中姿勢でジャンプシュートを決めるなど、U―16(16歳以下)日本代表候補に名を連ねる能力の高さを証明。「去年はメインコートに立って満足していたので、今年は勝ちにいきたい」と表情を引き締めた。
=埼玉新聞2021年12月27日付け11面掲載=
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