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全国高校駅伝結果-埼玉栄

男子は17位

女子は25位 

17位でゴールする男子・埼玉栄のアンカー森=26日、たけびしスタジアム京都

 

 男子第72回、女子第33回全国高校駅伝は26日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着コースで開催され、5年連続41度目の出場で男子の埼玉栄は、2時間5分32秒で17位だった。3年ぶり26度目の出場となった女子の埼玉栄は、1時間12分30秒で25位。
 男子の埼玉栄は1区久保田が21位。2区鍵山が力走し、16位に押し上げた。3区松井は順位を四つ下げたが、4区本間で19位に浮上。板橋、吉田蔵の5、6区で順位を維持し、アンカーの森が二つ上げた。
 女子の埼玉栄は1区田中が22位でつなぎ、2区丹野は一つ後退した。3区中沢が順位を守り、4区椙山で22位に上昇。アンカー前田は三つ順位を落とした。

 

気合見せ 役割全う

男子 埼玉栄の2区鍵山(左)が3区松井にたすきを渡す

 

 雪が舞う都大路で、男子の埼玉栄が気合の走りを繰り広げた。入賞こそかなわなかったが、それぞれの役目を全う。神山監督は「選手たちは粘り強くいい走りをしていた」と納得の表情だった。
 1区21位と出遅れた久保田だったが、真っ向勝負を挑んだ結果。強敵相手に上位を狙うには積極策しかなかった。指揮官も「狙いも明確だったし、完璧に近い走りだった」とたたえる。10番手以内をキープし後半の追い上げに懸けていたが、「上りで我慢できなくなった」と久保田。6㌔すぎに遅れたが、勇気ある走りで後続へたすきを託した。
 2区鍵山も迷いはなかった。序盤から前方の選手を追い、3㌔の短い区間で順位を五つ上げる快走。「後半足が動かなくなった」と悔しがったが、区間9位で流れを呼んだ。3区を任された1年生の松井が20位に後退したものの、望みは捨てなかった。
 昨年アンカーを務めた本間が、4区で1人を抜くと、5区板橋、6区吉田蔵も19位をキープ。吉田蔵は順位こそ上げられなかったが、区間7位で前とのタイム差を縮めた。
 仲間の思いを受け取ったアンカー森も奮闘。「チームが辛抱強くつないでくれた」と、区間8位で2人をかわしゴールを駆け抜けた。
 本番直前で主力の小山が欠場するなど、完全な状態ではなかったかもしれない。それでも「埼玉栄の歴代最強」を目指している選手たちからは不安は感じられなかった。2年生が主力の現チーム。強いオレンジユニホームの進化はこれからだ。

 

初出場の全国で潜在能力示す

6区・吉田

 男子の埼玉栄で身長180㌢の長身ランナー吉田蔵が、初の全国で潜在能力の高さを示した。「上りと下りの切り替えがうまくいった」と、アップダウンが続く6区の難コースを攻略した。
 19位から順位を上げることはできなかったが、区間7位で前方チームとのタイム差を縮める好走。たすきを渡したアンカー森の2人抜きをアシストする原動力となった。「全国大会に出るのは初めてで、楽しみだった。実力不足を感じたけれど、少しは戦えたかな」と、課題と手応えを手にした実りあるレースとなった。

 

難しさ痛感も 前向く

女子 埼玉栄の2区丹野(左)からたすきを受け取った3区中沢が走りだす

 

 女子の埼玉栄は、目標の15位以内には届かなかったが、3年ぶりの全国を踏みしめた。アンカーを務めた前田は「自分では動けているように感じたけれど、タイムが出ていなかった」と大舞台の難しさを口にした。
 1区田中が想定外のハイペースに苦しんだ。「1000㍍が速くて対応できず、リズムが悪くなってしまった」と田中。2㌔すぎで第2集団から遅れ始め、先頭が遠くなった。それでも持ち前の粘りの走りを発揮し、22位で2区へつなげた。
 2区は大会前の調整に苦しむチームの中で好調を維持していた丹野。期待された1年生だったが「周りが強くて思うように走れなかった」と順位は一つ後退。3区中沢も自分の走りで前を追ったが、23位のままだった。そんな中、県予選で区間賞を取った4区の椙山が意地を見せる。残り1㌔で前の選手をかわすと、「腕の振りを速くして追った」と21位の選手にも6秒差にまで詰め寄った。
 椙山から勢いをもらった5区前田だったが、悪天候も影響し、最後は25位でレースを終えた。田村監督は「順位もタイムも良くはなかった。それでも選手たちが今できるベストは出せた」とねぎらった。
 1996年の大会で先輩たちが打ち立てた1時間6分26秒は、今も歴代1位の記録として輝く。近年は全国で苦戦が続いているが、「埼玉栄」を背負うプライドは消えない。選手たちからは「次こそは」という決意がにじんでいた。

チーム唯一の3年生奮闘

3区・中沢

 女子の埼玉栄にあってメンバー唯一の3年生中沢が、3区で冷静な走りを見せた。順位こそ上げることはできなかったが、23位を維持。「初めての全国だったが、仲間たちのサポートもあり緊張も少なかった」とチームメートに感謝した。
 11月の練習中に右足のくるぶしを痛めた。痛みは残ったが「みんなの思いを背負っていたので
やるしかない」と奮起した。年長者として部員のまとめ役も担った中沢。夢の都大路を振り返り、「来年も全国に来て入賞してもらいたい」と、思いを後輩たちに引き継いだ。

 

=埼玉新聞2021年12月27日付け1&10面掲載=

 

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