商業科と情報処理科を設置する浦和商業高校(さいたま市南区)では、3年生の約25%にあたる70人が、全国商業高等学校協会(全商協会)主催の検定1級を3種目以上取得することを目指した「70人プロジェクト」が進行中だ。
全商協会の検定試験は、情報処理検定や簿記実務検定試験など9種目の検定を通してビジネスに関する知識や思考力、判断力、表現力等を証明するもので、全国から多くの商業高校の生徒が受験する。2021年度の3種目以上1級合格者は、県内では386人だった。
資格習得を目的とする「70人プロジェクト」の他にも力を入れる学びがある。それは探究的な学びだ。「インプットの検定試験の学習のみならず、アウトプット主体の探究的な学びを加えた『実学』にしていきたい」と内田靖校長。現在の1年生の授業には、県内の商業高校の教員が作成したオリジナルの副教材を取り入れている。
教材には、「この街ではどういうビジネスを始めるか」といったような正解(絶対解)のない課題が詰まっている。自分たちで問いを立て、その問いに対しての情報収集・分析をし、表現する探究的な学び。「問いを自ら立てるということはとても難しい。簡単な問いを立てるトレーニングを1年生のうちから始めていきたい」(内田校長)。
就職に強いイメージのある商業高校だが、同校の近年の卒業生の進路状況は、就職と大学等進学が2対3。資格取得と探究学習によって、自分の望む進路実現を高く達成できる場となっている。
=埼玉新聞7月5日付け「高校入試対策特集」9面掲載=
次回は7月20日(水)に
【専門学科の学び3】223年分のノウハウ結集ー児玉高校(令和5年4月開校)
の配信を予定しております。
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