武南 12年ぶり栄冠
武蔵越生に4-0快勝
(最終日、19日・埼玉スタジアム第3グラウンド)
決勝を行い、南部予選から勝ち上がった武南が武蔵越生に4―0で快勝し、12年ぶり10度目の優勝を飾った。武蔵越生は旧校名の私立越生以来となる31年ぶりの栄冠を逃した。
武南は前半6分、裏に抜け出した杉沢のゴールで先制。同29分に川上が追加点を奪うと後半11分に高橋俊、同36分に高橋秀がそれぞれ得点を決めて突き放した。
武蔵越生は80分間でシュート7本を放つものの1点が遠く、守備に追われる時間が続いた。
武南―武蔵越生 後半11分、武南の高橋俊(中央)がダメ押しの3点目を決める
武南は、80分間攻撃の手を緩めずに4発で快勝した。
前半6分に杉沢のゴールで先制すると同29分にドリブル突破した川上が追加点を奪った。後半11分に右サイドのクロスから高橋俊が右足を合わせて3点目。同36分に高橋秀が4点目を決めた。
武蔵越生は攻撃陣が中盤でボールを失い、守備でもサイド突破されるなど精彩を欠いた。
さらなる進化目指す
武南は80分間で21本のシュートを放ち4発のゴールラッシュで快勝した。
前回の優勝は、2011年の今回と同じ2月19日で、場所も埼玉スタジアムのサブグラウンド。当時は大山照人前監督が指揮していたが、その試合では不在だったため、まだコーチの内野監督が代わって采配を振るっての制覇。まさに12年の時を越えての栄冠だ。
決勝では武蔵越生を圧倒した。前日の昌平戦から先発を4人入れ替えると中盤でボールを奪還し、終始攻撃の時間をつくった。MF高橋秀は「チームとしてプレスバックをコンセプトにやって通用した」。前半6分に杉沢が決め、同29分には川上のゴールで前半を折り返した。
後半は昌平戦と同じく流動的にポジションを変更。右サイドハーフからボランチに移動した高橋秀が攻撃の起点となり、MF川上がセカンドボールを回収し、2次攻撃につなげるなど後半も2点を奪った。
ただ、この内容に内野監督は満足せず、「これでは全国で勝てない。見えている部分が見えていないし、スピード感が足りない」。それは選手たちも実感しており、川上は「決定力と攻守の切り替えがまだまだ足りない」。高橋秀は「結果を出さないと選手権に行けない」と話した。全ては高校サッカーの集大成である選手権出場のため、さらなる進化を遂げるつもりだ。
武南・川上
2戦連続弾で向上心燃やす
準決勝で1点ビハインドの後半ロスタイムにボレーシュートを決めた武南の川上が、決勝でもゴールを奪った。
前半29分、ペナルティーエリア内で杉沢のヒールパスを受け、「イメージ通り。アッキーがいい感じにパスをくれた」と2タッチ目でシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。ピッチから退く後半21分まで積極的にドリブルを仕掛け、攻撃のスイッチを入れた。
12年ぶりの優勝に背番号7は「優勝という結果を残せたのはうれしいが、まだまだ練習が足りない」と向上心を燃やす。
自慢の堅守も失点重く
武蔵越生は武南のスピード感ある攻撃を前に自慢の堅守が機能しなかった。井上監督は「相手の速さとうまさに対応し切れず、80分間が終わってしまった」と4失点した試合を悔いた。
武南の足元を通す巧みなパスワークに苦戦した。ゲーム主将の佐藤は「ついていくのが大変で相手をフリーにしてしまった」と肩を落とした。今大会決勝までの3試合が無失点だっただけに「前半に2失点したのはメンタルにぐっと来た」と重い失点を嘆いた。
攻めては前線の大沢、吉田、石本らが相手の守備にてこずり、3人が近距離で攻める理想の陣形を維持できなかった。大沢は「レベルが全然違った」と実力の差を痛感。前半は大沢がゴール前に迫り、終了間際のセットプレーではCB鈴木がヘディングシュートを放つ場面もあったが決め切れなかった。
この日は計21本のシュートを許し優勝を逃したが、粘り強い守備で決勝まで勝ち上がり手にした経験は大きい。佐藤は「守備はよくなっている。次の大会までにもっと攻撃力を」と自信を手にさらなる成長を誓った。
後半10分、武蔵越生の石本(中央)がボールを奪い、突破を試みる
武蔵越生・鈴木
長身生かして攻守で奮闘
武蔵越生のCB鈴木が身長187㌢の長身を生かした2本のヘディングシュートで相手ゴールを脅かした。「競り合いは自信を持ってできた」と守備でも相手のシュートを阻むなど攻守で奮闘した。井上監督は「身長は彼の武器。予想以上にできてたくましくなった」と大会を通じた成長をたたえた。
今大会、セットプレーの好機でボールに触れる機会が多かったが4試合で無得点。「まだまだ足りない。自分が決めればもっと勝てる試合が増える」と悔しさをバネに強みを磨いていく。
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サッカー女子
花咲徳栄が5大会連続V
(最終日、19日・東松山岩鼻運動公園陸上競技場)
決勝と順位決定戦を行い、決勝は花咲徳栄が昌平をPK戦で下し、5大会連続(中止となった2020、21年度を除く)6度目の優勝を飾った。
=埼玉新聞2023年2月20日付け7面掲載=
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