少年少女B100㍍ 高橋(国際学院高校)に栄冠
(第1日・白浪スタジアム)
理想の展開 ベスト更新
陸上少年女子B100㍍ 11秒93で初の栄冠に輝いた埼玉の高橋祐生弥(県スポーツ協会提供)
陸上の少年女子B100㍍で国体初出場の国際学院高1年高橋が自己ベストを更新する11秒93で初優勝を飾った。目標としていた金メダルを手にし「順位が分かったときはうれしかったしほっとした」と晴れやかに話した。
予選、準決勝では得意のスタートが決まらず反省点が残った。それでも決勝では「調子は良かったから自分の走りに集中するだけ」と得意とする8レーンから好スタートを決めて前に出ると、理想とするレース展開で逃げ切った。
初の国体も昨年に全国大会を経験したことで緊張はなかった。県王者として臨んだ昨年10月のジュニアオリンピックU―16(16歳以下)女子150㍍B決勝で優勝。「自分のレースをして結果が出た」と全国に通用する手ごたえをつかんだ。
中学時代は国際学院高を練習場とするクラブチームS&Kに所属。練習を行う中で「自分に一番合うと思った」と同校の児玉監督の指導法に引かれ入学を決めた。高橋は「恩返しできるようにまだまだ結果を出す」とさらなる高みを目指す。
成年女子砲丸投げ 大野(西武台高出)本調子から遠く
(第2日・白波スタジアム)
陸上の成年女子砲丸投げは、埼玉の大野(西武台高―埼玉大出)が15㍍08を記録して3位。「狙っていた順位ではないけど、今日できることはできた」と話した。
3投目まで全て14㍍台と納得がいかなかった。「練習の段階から合わなくて戸惑っていた」と4投目からは修正を図って15㍍台を3度記録した。4月に筑波大大学院に入学し、環境の変化に慣れず、苦戦している。「生活リズムや練習内容の試行錯誤で浮き沈みがある。ここ最近調子が良くない」と口にした。国体で今シーズンは終了し、来年に向けて冬季練習が始まる。「投法を変えるなどいろいろ試してみたい」と復調を目指す。
成年男子300㍍ 佐藤(富士通)制す
少年女子三段跳び 田口(国際学院高)が優勝
(第3日・白波スタジアム)
国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第9日は15日、鹿児島市の白波スタジアムなどで行われ、県勢は陸上の成年男子300㍍決勝で400㍍の日本記録を持つ佐藤拳太郎(富士通)=豊岡高―城西大出=が32秒59で優勝した。少年女子共通の三段跳び決勝では、田口侑楽(国際学院高)が追い風参考の12㍍55で栄冠に輝いた。弓道の成年女子遠的決勝では、埼玉(小野、白石、篠原)が47―60で宮崎に敗れ2位となった。
世界見据え評価厳しく
陸上 成年男子300㍍決勝 32秒59で優勝した埼玉の佐藤拳太郎(中央)=鹿児島市白波スタジアム
陸上の成年男子300㍍は、埼玉の佐藤(豊岡高―城西大出)が32秒59で優勝に輝いた。だが、「32秒台前半を狙っていたので悔しいの一言」と話した。世界を相手に戦うランナーだけに自分に厳しい評価を与えた。
前日の予選では、トップ通過の32秒53をマークするが課題が残った。「100㍍から200㍍までまったり走ったので残り100㍍は点数も付けられない動きをしていた」。反省を生かして臨んだ決勝は、向かい風の前半100㍍で苦戦したものの、200㍍過ぎでトップに立ち、逃げ切った。
国体が今季ラストレースとなり、来季に向けて準備期間に入る。今季は7月のアジア選手権400㍍で金メダル、8月のブタペスト世界選手権(世界陸上)で44秒47を打ち出し、400㍍の日本記録を更新した。「世界陸上を走って、私自身のスピードの不足、とにかく海外選手に比べて足が遅い。100㍍、200㍍のスプリント強化が必要」と世界の猛者たちと通用するために必要なものは見えている。
目標は、アジア記録(43秒93)の更新。「今年44秒77で記録は止まった。まずは、それを44秒台前半にすること。そのための取り組みをこの冬にはしていきたい」と意気込んだ。日本の歴史を塗り替えた埼玉の星が、アジアの壁を乗り越える日が訪れるかもしれない。
成年男子砲丸投げ 羽生田(山村学園高出)課題の17㍍クリア最低限
成年男子砲丸投げは、埼玉の羽生田(山村学園高出)が17㍍21を記録して5位に入った。「前日練習をやりすぎて後半は駄目だったけど、最低限の仕事はできた」と振り返った。
この日は、3投目以内に17㍍台を記録できるかを課題としていた。「後半に出ることが多かったから前半に一回は出したかった」。1、2投目は16㍍台だったものの、3投目で17㍍21を出して自身のノルマをクリアした。「17㍍台をコンスタントに出せば、18㍍台もいける」と自信を付けた。
ハプニングも冷静跳躍
少年女子共通三段跳び 12㍍55(追い風参考)で栄冠に輝いた埼玉の田口侑楽
少年女子共通三段跳びは埼玉の田口(国際学院高)が、北海道の全国高校総体(インターハイ)に続き、南の鹿児島で国体優勝に輝いた。跳躍した6回のうち、2回しか記録が出ず、「課題ばかりで思い通りにいかなかったけど、ハプニングがあった中で優勝はできてよかった」と評価した。
ハプニングが起きたのは3回目の跳躍。助走から踏み切ろうとした時に右足首を痛め、12㍍22で暫定6位。その影響もあり、4、5回目で失敗。ラストチャンスの6回目で優勝を手繰り寄せた。「13㍍は無理かな。考え過ぎたら悪い方向にいくから、出せることをやろう」と気持ちを切り替え、12㍍55をマークしてトップに立った。
飛躍の高校3年間となった。1年時は結果が出なかったものの、2年時の秋にU18(18歳以下)大会で初優勝。3年になるとインターハイ、国体で頂点に立つなど実力者までに成長した。「積み重ねてきたものができるようになって流れができた」と地道に練習を重ねた成果が、ハプニングに対処できた冷静な跳躍につながった。
=埼玉新聞2023年10月14日付け7面、15日付け9面、16日付け6面掲載=
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