バスケットボールの第76回全国高校選手権大会(ウインターカップ)は23日から東京体育館などで男女各60チームが参加して行われ、決勝は女子が28日、男子が29日に実施される。埼玉県勢は男子の正智深谷が6月の関東大会で決勝進出したことで出場枠が増え、男女計3チーム(男子2チーム、女子1チーム)が出場する。
男子は12大会連続13度目出場の正智深谷と33大会ぶり5度目出場の埼玉栄が23日の1回戦から登場。正智深谷は浜松学院(静岡)と対戦(15時40分・武蔵野の森総合スポーツプラザ)し、埼玉栄は高松工芸(香川)と顔を合わせる(15時40分・東京体育館)。
女子は2大会連続8度目出場の埼玉栄が23日の1回戦で足羽(福井)と対戦する(9時・東京体育館)。開幕を目前に控え、上位進出を狙う3チームを紹介する。
男子 正智深谷
攻撃力強み 表彰台狙う
12大会連続出場で初の表彰台を狙う男子の正智深谷
男子の正智深谷は伝統のチームディフェンスに例年以上の攻撃力を兼ね備え、初の表彰台を狙う。成田監督は「得点力が高く、力のあるチーム。自分たちのバスケットをすれば勝ち上がれる」と自信をうかがわせる。
今季参戦したU18(18歳以下)関東ブロックリーグは6勝2敗の3位。強豪との対戦で選手層に厚みが増し、地力が上位であることを示した。攻守の要はゲーム主将の三村。どのポジションもこなすオールラウンダーが守りから試合を組み立てる。
インサイドは長身の2年生コンビが制圧する。192㌢の中武は体幹が強くリバウンド力が高い。鋭いドリブルで内に切り込む186㌢のグビノグンも得点を重ねる。アウトからは秋穂と飯島が得点率の高い3点シュートでリングを射抜く。
初戦の浜松学院に勝利すれば、前回大会の2回戦で敗れた美濃加茂(岐阜)との雪辱戦が視野に入る。指揮官は「今年は留学生のいる相手にも高さで勝負できる。初戦から今までで一番のバスケットがしたい」と昨年の借りを返し、チームの歴史を塗り替える。
男子 埼玉栄
粘りの堅守 強敵に挑む
33大会ぶり出場で初戦突破へ意気込む男子の埼玉栄
男子の埼玉栄は安定感が光るガードを武器に守り勝つバスケットでメインコートを目指す。指揮を執る小野コーチは「攻守の切り替えや機動力など、取り組みの集大成を出したい」と33大会ぶりの舞台に士気を高める。
高さのある選手は少ないが、関東大会県予選3位で出場した6月の関東大会Bブロックを制覇。自信を持つ粘り強い守りが関東の実力校にも通用した。チームが劣勢の場面では抜群のキャプテンシーを持つ伊東が途中出場から流れを変える。
得点源は195㌢の長身でゴール下のプレーを得意とする孫とスピードが武器のエース真壁。椎名の正確な3点シュートにも期待がかかる。内と外どちらからも得点を奪える横島と中谷は多彩な攻撃で相手を翻弄(ほんろう)する。
初戦の高松工芸を破れば、2回戦にはU18トップリーグに所属する前回大会4強の藤枝明誠(静岡)が待ち構える。主将の伊東は「すごく楽しみな組み合わせ。まずは高松工芸との試合に最大限の力を発揮したい」と初戦から全力でぶつかっていく。
女子 埼玉栄
運動量 守りの精度武器
2大会連続で全国の舞台に挑む女子の埼玉栄
女子の埼玉栄は豊富な運動量と精度の高いディフェンスで全国の舞台に挑む。目(さっか)監督は「自分たちのやることを徹底できれば一つずつ勝ち上がっていける」と目の前の一戦に集中し、持てる力を発揮する。
チームは夏に5アウトの攻撃システムを強化。エリア外でボールを動かして、中央に生まれたスペースに切り込みたい。得点に期待がかかるのは県予選決勝で23得点を挙げた下田。鋭いドライブからのジャンプシュートでスコアを伸ばす。
読みの鋭い伊藤と対応力の高い津脇が試合を組み立てる。献身的な働きで相手の攻撃陣を封じ込め、守りからリズムを築きたい。統率の取れた連係からインサイドの要である片子沢怜と成功率の高い3点シュートが武器の松田が得点を重ねる。
初戦の相手となる足羽は12大会連続29度目出場で、全国大会の常連校。ゲーム主将の下田は「1対1の強さで相手を上回りたい。頑張ってくれる1、2年生を自分が引っ張る」と先発メンバー唯一の3年生として昨年届かなかった1勝をつかみとる。
=埼玉新聞2023年12月21日付け6面掲載=
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