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「ヘルメットで助かる命」羽生実高2年生制作ポスター市内に掲示

 「ヘルメットで助かる命」―。14日、羽生署の入り口と待合スペースの掲示板に新しく自転車乗用時のヘルメット着用を呼びかけるポスターが掲示された。制作したのは県立羽生実業高校2年の今西希美さん(17)。署のほかに市内の学校、市役所、駅構内、商業施設などで順次掲示される予定で、今西さんは「ポスターを見て、一人でも多くの方がヘルメットを着けようと思ってもらえたら」と期待を込めた。

 

「同年代の人たちにもポスターを見てほしい」と話す今西希美さん(右)と同署の松本和久署長=14日、羽生署

 

 交通安全の意識浸透を図る目的で、羽生署が6月下旬ごろから市内の高校、特別支援学校の5校にポスターの制作を依頼し、応募が寄せられた6作品の中から今西さんの作品が最優秀賞に選ばれた。
 今西さんは自転車の事故で命を落とす理由の一つにヘルメットを着用していなかったという現状をニュースなどで見聞きし、危機意識を感じていたことからテーマを決定。普段通学で自転車に乗っていて4月から自転車利用者の全世代にヘルメット着用が努力義務化されたことを受け、万が一に備えて「自分自身でも気を付けられることは気を付けようと思った」と語る。
 今西さんは作品が完成した夏休み中に自転車で転んでしまったが、ヘルメットをかぶっていたおかげでけがをしなかった。「小さな子から高齢者までポスターを見てほしいが、特に同年代の子たちに見てほしい」と願い、作品には女子高校生を描いた。
 県警交通総務課によると、警察庁が行った7月の調査で県内の自転車利用者のヘルメット着用率は6・1%。11月末時点の県内の自転車事故死者は22人で頭部に致命傷を負ったのが13人で、いずれもヘルメットを着用していなかった。 
 「髪形が崩れる」「格好悪い」「荷物になる」など、さまざまな理由で着用率が上がらないヘルメット。同署の松本和久署長は「地元の高校生が作ってくれたので市民の人も身近に感じる。作者の気持ちがダイレクトに伝わってくる作品で、効果を期待している」と笑顔で感謝した。
 同署は11月、今西さんに感謝状を贈呈した。

 

=埼玉新聞2023年12月17日付け14面掲載=

 

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